女子マラソン・前田穂南 高校時代の恩師が語る進化「今では凄い筋肉」
2024年04月24日 07:00
マラソン
「昨年10月のMGCでは調子がいいと聞いていたけど、季節外れの大雨もあって7位。普通なら、リカバリーの時間もある名古屋を選ぶかなと思っていた。そこで大阪を選択したのは、MGCまでいい練習ができていた流れを切りたくなかったのかなと」
実際に前田は中間地点からペースメーカーの前に出る力走を見せた。05年に野口みずきが出した記録を13秒縮め、19年も止まっていた日本女子マラソンの針を動かした。
尼崎の園田東中から大阪薫英女学院高に入学。「足が細く、すらっとした体形で伸びしろがある」と判断した安田監督が自ら声をかけた。ただ、当時は1学年上に松田瑞生がいて、同級生や後輩にもメンバーがそろっていた。「無駄のない走りで距離を踏む才能があった。ただ、駅伝は最長6キロ。筋力不足もあってスピードは欠けていた」。全国高校駅伝は一度も走ることがなく、同校が初優勝した3年時も補欠だった。
卒業後は当初、大学に進学予定だった。それが3年になると「本格的に陸上をやりたい」と意思を伝え実業団への道を模索した。縁あって天満屋へと入社。卒業の際には、安田監督にこう告げた。
「マラソンで五輪に出ます」
松田瑞生も同じことを言って卒業した。だが、エースとして活躍した先輩とは実績が違った。その言葉に驚かされながらも「(天満屋の)監督さんの言うことを聞いて頑張れ」と声をかけた。
安田監督が評価した才能は磨かれ、2度目となる五輪代表に決まった。「練習量が豊富な天満屋さんに行って、今では凄い筋肉がついている。近くで見たら分かります」。その教え子に対して、色紙に「酷暑のパリ 耐えて耐えてメダルへ」とメッセージを書き込んだ同監督。33位に終わった東京のリベンジを期待している。(五輪担当・西海 康平)
◇前田 穂南(まえだ・ほなみ)1996年(平8)7月17日生まれ、兵庫県尼崎市出身の27歳。ドラマ「東京ラブストーリー」ヒロイン役の女優・鈴木保奈美が名前の由来。小学5年から陸上を始め、15年に天満屋に入社し、17年大阪国際でマラソンデビュー。1メートル66、44キロ。
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