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【二所ノ関親方・秋場所展望】照休場…横綱不在“戦国場所”で2大関の意地見せてくれ

2024年09月08日 04:55

相撲

【二所ノ関親方・秋場所展望】照休場…横綱不在“戦国場所”で2大関の意地見せてくれ
8月29日の横綱審議委員会の稽古総見で汗を流す豊昇龍(左)と琴桜 Photo By スポニチ
 大相撲秋場所は8日、東京・両国国技館で初日を迎える。名古屋場所で10度目の優勝を果たした横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)が休場。再び混戦模様を呈する中、スポニチ本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は貴景勝の陥落で2人となった琴桜(26=佐渡ケ嶽部屋)と豊昇龍(25=立浪部屋)が引っ張っていく展開を期待した。
 最近のトレンド「混戦場所」に拍車がかかり、秋場所も主役が誰か全く読めない状況です。とはいえ横綱が不在なら、大関の2人が番付上位の意地を見せるべき。偽らざる本音です。

 琴桜は昨年の九州場所から5場所連続で2桁をマーク。安定感は際立ちますが、あと1、2勝加算できず優勝に届かないのが現状の姿です。大関が終着点ではないわけで、優勝、さらに上を目指すには精神面、相撲内容などがらりと変えていく必要があると思っています。右でも左でも取れてしまうので、相手がこう動くから、こう対処するというスタイル。立ち合いから圧倒するような攻めの相撲ではないので、「これが琴桜だ」というような形を確立してほしいところです。番付では最上位となるので、ひと皮むけた姿を期待しています。

 自分の形作りが必要なのは豊昇龍にも言えます。相手の出方に合わせながらの投げなど器用な面をのぞかせる一方、立ち合いで横に動いてまわしを取りにいくような相撲も散見されます。

 スケールという面では物足りないし、足腰の強さが生かされていません。いい突っ張りがあるのだから、前に出ながら自分の形にする正攻法を徹底すること。そういう攻めが増えれば勝ち星はおのずと増えていきます。

 2大関が引っ張って、大関候補が食い下がる展開なら場所も盛り上がります。大の里は場所前に三番稽古で胸を合わせました。状態は良さそうですが、大関を目指すのなら日頃の稽古でも無双するくらいの強さがほしい。申し合いでも遠慮気味です。平戸海はいいですね。見るからに稽古して強くなった体つき。叩き上げらしいリズム感のある立ち合いも好感が持てます。今場所もある程度はやってくれそうな雰囲気を漂わせています。

 春場所で尊富士が優勝してから新入幕にも注目しています。阿武剋は左の強さがありますし、相手の嫌がる相撲が取れる。面白い存在です。(元横綱・稀勢の里)

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