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【パラリンピック】自転車ロード女子・53歳杉浦が日本人最年長の金!「東京」後生まれた孫にも“見せた”

2024年09月08日 04:00

自転車

【パラリンピック】自転車ロード女子・53歳杉浦が日本人最年長の金!「東京」後生まれた孫にも“見せた”
<パリ・パラリンピック>日本人最年長となる53歳でメダルを獲得した杉浦(ロイター)
 【パリ・パラリンピック第11日 ( 2024年9月7日    クリシースボワ )】 自転車個人ロードレース(運動機能障がいC1~3)の女子で53歳の杉浦佳子(総合メディカル)が2連覇し、自身の持つ日本選手最年長金メダル記録を更新した。今大会の日本の金メダル数は13個となり、前回東京大会に並んだ。6日には柔道女子57キロ級(弱視)の広瀬順子(33=SMBC日興証券)、男子73キロ級(弱視)の瀬戸勇次郎(24=九星飲料工業)が初の金メダルに輝いた。競泳の男子100メートルバタフライ(視覚障がいS11)は木村敬一(33=東京ガス)が1分0秒90の大会新で2連覇し、50メートル自由形との2冠達成した。
 「アラフィフの星」が再び輝いた。50歳で初出場した21年東京パラリンピックの自転車でロード2種目制覇。53歳となった杉浦は今大会、自身が持つ日本人金メダリストの最年長記録の更新を目指してきた。最終4種目目で目標を実現し「さすがにこの年で連覇はないだろうと自分でも思っていた」と喜ぶ表情に驚きが交じった。

 障がいと年齢にあらがいながら力走する3年前の姿は注目を浴び、思わぬ反響に驚いた。障がいがある人から「私も挑戦したい」という声が寄せられ、同年代には「希望が持てた」と感謝された。「もう一度(みんなが)喜ぶ顔を見たい」との思いでパリへ臨んでいた。

 東京大会後に孫の男の子が誕生し、おばあちゃんになった。8月末に2人目の孫が誕生。車の玩具や海外の遠征先で買った絵本を持って孫に会いに行くのを楽しみにしながら苦しい練習に耐えてきた。会場で他国のコーチらから「ナイス・グランマ(おばあちゃん)」と声をかけられ、自身も誇りに思っている。

 45歳だった16年に自転車レースで転倒し、右半身まひの障がいを負った。直後は父親を認識できず、記憶が途切れる症状もあった。小学生用の漢字ドリルに向き合うことからリハビリを開始。知人の紹介で17年にパラサイクリングと出合った。

 今大会では持病のぜんそくに悩まされたが、最終種目で底力を発揮。約57キロのレースを先頭集団で進め、残り約200メートル。渾身(こんしん)のスパートを掛け、親子ほど年齢の離れた20代の外国勢にわずかに先着した。ゴール直後には「本当にきつかった」と号泣した“グランマ”は、「もう今夜、ビールを飲むことしか考えていない」と解放感と喜びに浸った。

 ◇杉浦 佳子(すぎうら・けいこ)1970年(昭45)12月26日生まれ、静岡県出身の53歳。北里大卒業後に薬剤師として勤務し、趣味でトライアスロンを楽しむ中、自転車レースで転倒。リハビリの一環だった自転車競技に取り組み始めた。21年東京大会で女子個人ロードタイムトライアル、個人ロードレースの2冠。

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