中日２位又吉　親にウソつき野球続けた大学で才能開花

2014年01月17日 10:12

野球

　両親についたウソ。プロ野球選手になった今では、笑い話だろう。中日ドラフト２位の又吉は当時を振り返る。

　「高校まで野球は全然ダメだったので、大学も親に“体育の先生になるから。野球はやらない”とウソをついて行かせてもらった。１年の秋にリーグ戦のメンバーに入ってバレたんですが…」

　西原での高校時代は補欠だった。主な役割と言えば、打撃投手で「２週間、毎日２００球ずつ投げたこともあった」という。転機は教職免許を取ることを理由に進学した環太平洋大。入学時に最速１１７キロだった直球が、４年間で１４４キロまで飛躍的にスピードアップした。横手投げの変則右腕は「入学した時の監督が偶然、サイドスローの投手だった。そこで基本的な体の使い方を初めて教わった。ただ横から投げていただけだったんで」と出会いに感謝する。

　好奇心旺盛。在学中は、バスケットボールやバレーボール、サッカーなど他競技もトライした。「楽しんでやっていたけど、全て野球につながる」という発想からだ。しかもスポーツだけでなく、料理や裁縫など何にでも興味を持って取り組んだ。「フライパンは６枚あった。“又吉の家に行けば何かある”ってみんな食べに来てました」。得意な料理は沖縄出身らしく、豚の角煮である。

　四国アイランドリーグｐｌｕｓの香川から独立リーグ出身者として、ドラフト史上最上位の２位指名を受けた。最速も１４８キロまで増した。雑草右腕は「楽しみと好奇心しかない。今はハテナマークがありすぎるけど、それを一個一個消していきたい」と目を輝かせる。珍しい名字。プロで活躍し、お笑い芸人、ピースの又吉と共演することも目標の一つだ。

　◆又吉　克樹（またよし・かつき）１９９０年（平２）１１月４日、沖縄県浦添市生まれの２３歳。西原から環太平洋大を経て、独立リーグ、四国アイランドリーグｐｌｕｓの香川に入団。１年目の昨年、１３勝４敗、防御率１・６４の好成績を収め、最多勝を獲得した。持ち球はスライダー、チェンジアップ、フォーク。ニックネームは「マタ」。１メートル８０、７４キロ。右投げ右打ち。