和田監督 必死のパッチ采配 好調・福留に代打!関本がV犠飛

2014年07月05日 07:57

野球

和田監督 必死のパッチ采配 好調・福留に代打!関本がV犠飛
<D・神>勝利し、笑顔の(右から)関本、鶴岡、呉昇桓
セ・リーグ 阪神3-2DeNA
(7月4日 静岡)
 必死のパッチ采配が決まった! 阪神は2―2の8回1死満塁から代打・関本賢太郎内野手(35)がライトへ決勝犠飛。リーグ戦再開後、好調をキープしている福留の代打という和田豊監督(51)の勝負手に見事に応えた。チームは4月24~26日以来となる3連勝で再び貯金1。7月3戦3勝で反攻の夏が始まった。

 重圧に屈することなく、決勝の1点を奪い取った。2―2の8回1死満塁。2ボール2ストライクからの低め変化球に、代打・関本が懸命に食らいついた。

 「感触はなかった。犠牲フライになるとは思わなかったが、タイガースファンの後押しがあったので」

 自身も半信半疑だった白球は、草薙球場に詰めかけた虎党の後押しも受け右翼への飛球となった。三塁から大和が生還する犠牲フライ。誰よりもこの1点を喜んだのは、勝負に出た和田監督だった。

 「あそこは勝負をかけた。勝負をかける場面だった」

 先に動いたのはDeNAベンチだった。福留の打順となったところで、先発・井納から左の大原へスイッチ。すると、今度は阪神ベンチが関本の代打をコールした。左対左になるとはいえ、福留はこの試合も1安打1四球を記録しており、リーグ戦再開後は打率・381。それでも指揮官の信念は揺るがなかった。

 「(福留)孝介も決して悪くないけど、そこへ行くための代打が控えているからね」

 負ければ、再び借金生活という局面。この一戦にかける、指揮官の執念の表れだった。百戦錬磨の関本をして「野手への代打はプレッシャーがかかる」と言わしめた、決死のタクト。野球を知り尽くす関本だからこそ、余計に重圧がかかったのは間違いない。

 押しつぶされそうな心を支えたのは、冷静な頭脳だった。関本が打席を振り返る。「センター中心を考えていたのが良かった」。今季からバットを寝かせるフォームに改造したきっかけは、昨オフに調べ直したここ3年の自身のデータだった。センターから左への安打が実に7割。理想とする「センターから右へ7割」とは真逆の数字だった。

 引っ張りにかからぬよう、左手の甲をボールにぶつけるイメージだったのを、グリップエンドをぶつけるイメージへと一新。そこでたどり着いたのが現在の打撃フォーム。そして、この夜。理想とするセンターから右への打球を飛ばしてみせた。

 「必死のパッチでやるだけ。草薙球場の皆さん。明日(5日)は横浜です。テレビの前で応援してください」

 お立ち台では、得意の決め台詞で場内を沸かせた。3連勝で6月21日以来となる貯金1。7月の虎は強い。

 ▼阪神の1イニング3人代打起用 今季4度目(3試合)で、3者連続は初めて。5月9日の巨人戦(甲子園)では3点ビハインドの7回に田上、福留、新井の起用で1点返すも、2点を追う9回の俊介、新井良、関本は不発に終わり敗戦。6月12日のロッテ戦(QVC)は2点を追う8回に柴田、関本、新井良を投入。2死満塁から新井良が走者一掃の逆転二塁打を放って試合を決めている。

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