年俸550万円右腕が救った!20歳若松で竜連敗脱出「最高です」
2015年08月03日 05:30
野球
苦境に立つ中日を救ったのは、弱冠20歳の若松だった。巨人戦初先発でプロ初完封勝利を挙げ、チームの連敗を8で止めた。完投も初体験。大仕事をやってのけた3年目右腕は「最高です。初完封もうれしいですが、チームが8連敗していたんで、それを止められたことが一番うれしい」と喜色満面だ。巨人戦でプロ初完投を完封で飾ったのは、球団では1998年の川上以来、実に17年ぶりだった。
直球は大半が140キロに満たないが、しっかり腕を振ることでチェンジアップが生きた。その決め球はプロ1年目に習得。それもテレビゲームで打者のタイミングを外す際に効果的だったため「使えるな」と思ったという。今季初対戦の巨人打線には効果抜群。中盤以降は緩いカーブを増やし、的を絞らせない。これまでの自己最長は7回。未知の終盤も「一発を打てる打者がいっぱいだから」と丁寧に低めに集め、単打のみの5安打に抑えた。自己最多の139球を投げ「正直疲れました」と振り返った。
福岡県久留米市出身。祐誠(福岡)から12年にドラフト7位で中日に入団した。実家は田んぼに囲まれ、最寄りのコンビニまで約2キロという環境で伸び伸びと育った。おおらかな性格。敵地・東京ドームは4万5056人の大観衆だったが、「いつも通りに(マウンドに)上がりました」と沈着冷静だった。試合終盤に「完封するか」と声を掛けた友利投手コーチも「爽やかに、“やります”とか答えていた。事の重大さが分かっていない」と苦笑いした。
不調の福谷が出場選手登録を抹消されるなど、不安定な救援陣を休ませられたことも大きい。今季はプロ初勝利を含む4勝。中日に13日ぶりの白星をもたらしたのは、年俸550万円の右腕だった。(山添 晴治)
▼中日・谷繁兼任監督 きょうは若松と杉山に尽きる。(若松は)緩急を使いながら、丁寧に投げていた。
▼巨人・坂本 チェンジアップが良かった。真っすぐが速く見えるような使い方をしていた。次はもう少し工夫して攻略したい。
▼巨人・川相ヘッドコーチ チェンジアップはイメージと違い、直球の軌道でボールが落ちていく。真っすぐに見えて振りにいくとボールがこないので苦労した。
◆若松 駿太(わかまつ・しゅんた)1995年(平7)2月28日、福岡県生まれの20歳。福岡・祐誠では甲子園出場はなく、3年夏も福岡大会初戦で東海大五に敗退。12年ドラフト7位で中日に入団。2年目の14年4月3日の阪神戦(京セラドーム)でプロ初登板。今年6月2日の西武戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を挙げた。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。
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