山中で燕首位!カネやん以来球団57年ぶり開幕5戦5勝
2015年08月03日 07:15
野球
遅咲きのサブマリンが伝説の400勝投手に並んだ。ヤクルトの山中浩史投手(29)が2日の阪神戦で自己最長の7回を投げ、5安打無失点。今年6月にプロ3年目で初勝利を挙げてから開幕5戦5勝で、球団では58年の金田正一(当時国鉄)以来、57年ぶりの快挙となった。チームは勝率で巨人を上回り、4日ぶりの首位に浮上。移籍2年目の苦労人が、ヤクルト投手陣の屋台骨を「下」から支えている。
偉大な先輩の名前を耳にすると、山中は申し訳なさそうに言った。「こんな僕が肩を並べていいのか…」。58年金田正一以来、球団57年ぶりの快挙に29歳のサブマリンはどこまでも謙虚だった。
大ピンチをしのぎ、波に乗った。初回1死一、二塁でゴメスを中飛に打ち取ったが、続くマートンに四球を与えて満塁。最後は今成をスライダーで中飛に抑えた。「とにかく一人一人の積み重ね」と尻上がりに調子を上げ、自己最多107球で7回5安打無失点。6回まで両軍無得点の息詰まる投手戦を制した。
下手投げから放つ直球は120キロ台中盤。それでも高低やサイドを丁寧に突く。さらに武器は緩急だ。7月下旬、ブルペンでの投球練習中に高津投手コーチから初めてアドバイスを受けた。その内容が緩急の使い方だった。100キロ台の変化球をもっと遅く見せる方法とは――。「遅い球を投げる投手はより遅く見せないと勝てない。速い球はもっと速く見せないと」と言われ、緩急の重要性を再確認した。フォームに強弱をつけ、ボールを持つ「間」も意識。今季2度目の対戦となっても、阪神打線に攻略を許さなかった。
チームを再び首位に導いた「無敗男」が追い続ける背中が、今季右肘じん帯再建手術から復活した同僚の館山だ。08~09年に球団新の14連勝をマークした右腕は、昨季途中にトレード加入した際、いち早く歓迎会を開いてくれた恩人でもある。ソフトバンクから移籍1年目の昨季は2軍でリハビリに向き合う姿も見てきた。それだけに「あれだけファンを呼び込める。野球選手としても人間としても尊敬している」と語った。その館山と同じように、自身も白星を積み重ねている。
敵地にもかかわらず、スタンドからは早希夫人と愛娘が声援を送った。先発した5試合は全て応援に駆けつけているため「勝利の女神ですね」と照れ笑いした山中。「僕は最低限の仕事をしているだけ。野手と中継ぎの皆さんのおかげ」と最後まで謙虚な姿勢を崩さなかったが、すっかりチームに欠かせない存在となった。 (町田 利衣)
▼ヤクルト・真中監督 走者を出して苦しい場面もあったが、7回までよく投げた。
▼ヤクルト・高津投手コーチ 投げるごとに緩急が使えるようになっている。的を絞らせず、よく攻めてくれた。
▽58年の国鉄・金田 長嶋(現巨人終身名誉監督)の4三振デビューで有名な4月5日の巨人戦(後楽園)で延長11回4安打1失点、14奪三振で完投勝利を飾ると、4月25日の大洋(現DeNA)戦での完封勝利まで9試合で9勝。うち先発勝利が6試合で、3完封を含む6完投。救援勝利が3。同年は56試合に登板し31勝14敗だった。
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