野球発祥の地も待ち焦がれるイチロー3000安打

2016年07月22日 11:30

野球

野球発祥の地も待ち焦がれるイチロー3000安打
多くの客でにぎわう野球殿堂博物館の正面入り口
 マーリンズのイチロー外野手(42)が、殿堂入りの目安とされるメジャー通算3000安打にあと4本と迫っている。米国の野球殿堂博物館があるのは、野球発祥の地とされるニューヨーク州クーパーズタウン。マンハッタンから約315キロ離れた、イチローの快挙を待つ「野球の里」を訪れた。 (大林 幹雄)
 ニューヨークのマンハッタンから車で北西へ約4時間半。高速道路を乗り継ぎ丘陵地帯を越え、牧場の牛たちを横目に走り続けると見えてくる。人口約2000人のクーパーズタウンだ。

 文字通り「メイン・ストリート」という名の目抜き通りにある殿堂博物館。3階建ての館内に入ると、今年殿堂入りするケン・グリフィー、マイク・ピアザのグッズに迎えられる。1階のホールには、300人を超える殿堂入り選手らのレリーフ。現在の展示品が約4000点、所蔵品を含めると4万点以上が保管されているという。

 博物館のクレイグ・マダー広報部長は「イチローは、少なくてもここに4回来た。最近では2年前。野球の歴史を語る品々を静かに、熱心に見て回る姿が印象的だった」と語る。イチローの記録関連の現在の展示品は7点、展示品以外の所蔵品は19点。それ以外でも、場内の一角ではレーザービームの映像が流れ、絵画展示コーナーにも登場する。イチローが大リーグの「歴史の一部」になっていることが分かる。

 今月24日(日本時間25日)には、グリフィー、ピアザが殿堂入り式典に招かれる。毎年夏、今年は22~25日に迎える「殿堂週間」を前に、街は老若男女、多くの訪問客でにぎわっていた。

 目抜き通りはサイングッズを扱う店、バットやカードの専門店、野球関連のアパレルや土産を売る店などが軒を連ねる。期間限定ではなく、年間を通して野球一色の街並みだ。「ヤストレムスキー・スポーツ」「ミッキー(・マントル)ズ・プレイス」「シューレス・ジョーの店」など往年の選手名を冠した店も。イチローのサイン品も高値で店頭に並んでいた。

 野球が誕生したとされる「ダブルデー・フィールド」は現在、一般向けの球場として使用されている。隣接するバッティングセンターのグッズ売り場で、意外なものに出合った。女性店員に「あなた日本人?このサインの中にプロの選手がいるらしいのよ」と見せられたサインボール。そこには「斎藤佑樹#1」「田中将大#2」と並んで記されていた。06年に高校選抜として訪れた日本代表メンバーが、寄せ書きしたボールだった。

 野球で過去と現在、未来をつなぐクーパーズタウン。イチローが殿堂入りする夏も、変わらぬにぎわいを見せているだろう。 (文中敬称略)

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