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栗山&緒方両監督からの“問題提起” 二刀流・大谷の登場で見直すべきルールも

2016年10月23日 10:00

野球

栗山&緒方両監督からの“問題提起” 二刀流・大谷の登場で見直すべきルールも
日本シリーズ監督会議を終え、握手を交わす緒方監督(左)と栗山監督 Photo By スポニチ
 日本シリーズ前日の21日に行われた監督会議。広島・緒方監督、日本ハム・栗山監督から提案があったのが、発表後の予告先発投手変更についての規定についてだった。
 アグリーメント規定を要約するとこうなる。

 (1)試合当日に変更された投手は、当日のベンチ入り人数(最大25人)に含めるが出場できない。

 (2)公式打順表交換後に変更された投手は、その日を含み3日間、試合に出場することはできない。ただし、野手として出場する場合は、翌日から出場可能とする。

 特に(2)の「3日間は投手として出場できない」という部分について、3日間の罰則規定の撤廃を提案したのだった。

 だが、日本野球機構(NPB)は協議の末に、アグリーメント通りの運用を決めた。特例を認めなかったわけだが、当然だろう。予告先発の採用の有無は、両監督の合意で決められることになっているが、罰則規定に関しては、まさしくルールの変更だ。これを認めたら、あらゆるルール変更が両監督の申し合わせで可能となる前例になってしまう。NPBの井原敦事務局長が「ルールの適正運用」と説明したが、異論を挟む余地はない。

 ただ、両監督の問題提起は将来的な変更への契機となるはずだ。二刀流・大谷翔平の登場で、「投手」「野手」の区分で成り立っているルールは見直しが求められる。例えば、予告先発を大谷にして、直前まで回復を待ったが、どうやらコンディションが整わないことを理由に回避。翌日からまた野手で出場して、3日後に先発するということも可能だ。

 制度の悪用を考えたらキリがないが、例えば、22日の第1戦に先発した大谷を中4日で第5戦の予告先発に入れておく。第4戦までの勝敗に応じて、第5戦の試合直前ギリギリにコンディション不良を理由に変更。その試合は出場できないが、第6戦は野手で出場、第7戦に先発登板…との作戦もとりえる。世論の批判を承知の上でなら、ルール上は問題はない。

 この規定も二刀流選手を想定しておらず「予告先発の突然の変更を意図的にさせない」ために「投手としての3日間の出場停止」があると理解する。ただ、ルールは時代に合わせて変える必要がある。記者投票のベストナインの規定も「投手」と「DH」の重複投票が可能となった。“大谷目線”で見直す必要性があるかないか。一つ一つ検討する作業が必要だ。(記者コラム・倉橋 憲史)

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