ノーノーあと2人…広島・加藤“外れの外れ1位”からの初登板快投
2017年04月08日 05:30
野球
![ノーノーあと2人…広島・加藤“外れの外れ1位”からの初登板快投](/baseball/news/2017/04/08/jpeg/20170408s00001173016000p_view.jpg)
「まあ、こんなもんだなと思った。(守備で)いいプレーもたくさんしてもらったので(記録も)あるのかなと思ったけど、そんなに甘くない」
デビュー戦でのノーヒットノーランとなれば、87年8月9日に中日・近藤真一が巨人戦(ナゴヤ)で達成して以来30年ぶり2人目の偉業だったが、あと2人というところで夢はついえた。さらに1死一、三塁から雄平に右前適時打を浴びたところで降板。それでも守護神・中崎の力を借りながら8回1/3を1失点でセ新人で一番乗りの初勝利だから、表情は充実感に満ちていた。
この日は最速151キロを計測した直球にフォーク、スライダーを駆使し、7四球を与えながら7三振を奪う快投だった。お立ち台で加藤も「次はもっと四球を減らしたい」と反省したが、「荒れ球」を武器に思わぬ形で巡ってきたチャンスをものにしたのも事実だ。
オープン戦は2試合で1勝0敗、防御率2・70と結果を残したが、5回を投げ切るのに100球前後を要する制球難がネックで開幕を2軍で迎えた。しかし、先発予定だったジョンソンが咽頭炎で5日に出場選手登録抹消。2日前に先発が決まると、荒れ球を発揮して初対戦のヤクルト打線に的を絞らせなかった。
元々強肩で中学では捕手。慶応高1年秋に投手へ転向し、慶大で頭角を現した。2年秋の明大戦では延長12回を214球完投。4年秋の東大戦では5四球を与えながらノーヒットノーランを達成した。荒々しさと無尽蔵なスタミナ。さらに、自発的に始めたヨガで「相手と同じリズムにならないように」と呼吸を意識して登板することで、精神的な余裕も生まれた。
ドラフト会議では、創価大・田中(ソフトバンク)、桜美林大・佐々木(ロッテ)の抽選を外した広島から、ようやく名前を呼ばれた。「外れの外れ1位」だが、そんな肩書はもう関係ない。プロ初マウンドで135球の熱投。そんな姿はまぶしいほどに輝いていた。次戦は14日からの阪神3連戦(甲子園)が有力だ。引き分けを挟んで5連勝を飾った緒方監督も「たいしたもんだ。これで(次回先発が)なかったらうそでしょ!」と目尻を下げた。リーグ連覇の使者に、期待のルーキーが名乗りを上げた。
◆加藤 拓也(かとう・たくや)1994年(平6)12月31日、東京都生まれの22歳。慶応高1年秋に捕手から投手に転向し、3年夏は神奈川大会8強入り。甲子園出場なし。慶大では1年春からリーグ戦に出場し、4年秋の東大戦で史上24人目のノーヒットノーランを達成。通算26勝を挙げ、歴代15位の309奪三振を記録。1メートル76、88キロ。右投げ右打ち。
≪8回以上を無安打 近藤以来30年ぶり≫新人の加藤(広)が8回まで無安打に抑える快投でデビュー戦勝利を挙げた。新人の初登板初勝利は佐々木(ロ)に次ぎ今季2人目、広島では昨年の横山に次ぎ12人目。また、新人が初登板初勝利の試合で、8回以上無安打に抑えたのは、87年8月9日巨人戦でノーヒットノーランを達成した近藤(中)以来30年ぶり。ノーヒットノーランを達成すれば、史上79人目で、90度目、新人では近藤以来両リーグ4人目の快挙となっていた。また、あと1人打ち取って、9回2死で逃していれば、史上23人目、25度目で新人初の珍しい記録になるところだった。なお、広島では14年に九里、15年に薮田も初登板勝利。同一球団からの4年連続新人初登板初勝利は、46〜48年南海、50〜52年国鉄の各3年を抜く史上初の記録になった。
おすすめテーマ
2017年04月08日のニュース
特集
野球のランキング
-
オリ4連勝で3季ぶり貯金1!ロメロ4戦連発 ハム2年ぶり4連敗
-
西武 連敗3でストップ!野上は今季初勝利
-
バムガーナーの史上初の快挙やボールがプロテクターにくっつく珍事も
-
元中日チェンが今季初勝利 イチローの力でバットでメジャー初安打も
-
-
明大、3連覇へ開幕戦白星 斎藤は復活途上「まだまだです」
-
ハム大谷、内野ゴロで全力疾走…左大腿肉離れで試合復帰まで4週間
-
【8日の公示】ハムは杉谷、阪神は青柳を登録
-
梨田監督 今江の登録抹消にガッカリ 淡い期待「2週間あれば…」
-
東大・宮台、5回途中KO 四死球から崩れ…
-
ソフトB和田、予定通り14日先発へ 左肘の張りは「昨年とは別もの」
-
カブス・上原 2K無失点の完ぺき投球 開幕から3戦連続失点なし
-
青木 スタメン出場も無安打 開幕からの連続試合安打ストップ
-
ロッテYOGAタイム 楽天2連戦は「肩こりに効くポーズ」
-
今春選抜王者の大阪桐蔭がコールド発進
-
マーリンズ2連勝!元中日チェンが今季初白星 イチローは出番なし
-
駒大・白崎塁「けじめの年」に秘める思い 2人の「兄貴」に恩返しを
-
清宮を苦しめたインハイ秘話 精神力、観察眼に素直に感動
-
マー君、次回登板で雪辱へ「マウンドで取り返すしかない」
-
首都大学野球は雨天中止 15日に大田スタジアムで実施
-
【大野豊氏の視点】回転2種類 広島・加藤のやっかいなフォーク
-
楽天・岸 得意の球場で移籍初勝利だ 14戦10勝2敗
-
ロッテドラ1千隼 1勝に祝福100通 「千隼丼」も販売決定
-
糸井“霧雨”で打球見失い先制許す 金本監督「楽勝でアウトだと」
-
阪神・鳥谷 開幕7戦連続安打 守備では初失策に言葉少なく…
-
阪神 天敵マイコ追い詰めた 金本監督「アレルギーなくなった」
-
長かった…オリ 3年ぶり借金0 投打かみ合い3連勝
-
ハム 4年ぶり単独最下位 打線振るわず今季初3連敗
-
ソフトB内川の技 雄星の宝刀撃ち2発 “捨てる”選択肢もあった
-
開幕7戦目やっと!中日・森監督1勝 ドラ2京田決勝押し出し死球
-
ノーノーあと2人…広島・加藤“外れの外れ1位”からの初登板快投
-
ノーノー惜しい…新井「期待したけど」小窪「力になりたいと」
-
バレ 9回意地のノーノー阻止打「フォーク一本に絞っていた」
-
ヤクルト川端 1軍復帰白紙 椎間板ヘルニア再発は否定
-
巨人・岡本 初づくし甲子園打 智弁学園時代2発放った舞台で大暴れ
-
巨人マイコ 3失点も粘投2勝 甲子園では通算4勝0敗
-
1番中井 4年ぶり弾 一発放った試合はこれで6戦全勝
-
由伸巨人 キムタクさんの命日に勝利ささげた「忘れられない日」
-
今年は違うの?阪神・岩貞 Gキラー初黒星「反省して考えていかないと」
-
ソフトB和田 2勝目も…左腕張りで緊急降板「4回くらいから」
-
通算0勝9敗…雄星 ソフトB戦初白星ならず「まだまだ課題は多い」
-
2度の失敗乗り越え…中日・田島 今季初S「守りに入り過ぎていた」
-
DeNA 逆転負けで借金3 新人・進藤救援失敗
-
楽天・今江 登録抹消 6日ソフトB戦で右太腿裏痛める
-
清宮に内野5人!「面白かった」影響否定も80号出ず 早実は16強進出
-
4番・野村は“外野4人” 苦しむ清宮に「アッパースイングになっている」
-
日大三 猛爆4発16得点!“デカプリオ”金成22号「思った通り打てた」
-
東大・宮台、フォーム改造で「不安ない」東京六大春季リーグ開幕
-
明大・逢沢 宮台打ちで3季連続Vへ!攻略に自信「苦手意識ない」
-
【主将意気込み】明大・中野「実力発揮したい」東大・山田「荒らしたい」
-
青木 左腕撃ち3戦連続安打!定位置確保へ「アピールできた」
-
田沢、被弾を反省「打たれてはいけない場面」イチローは代打で二ゴロ
-
マー君、次回登板で雑音封じる 開幕戦KOに地元紙早くも厳しい記事
-
名捕手モリーナ“珍プレー”で振り逃げ許す プロテクターにボール張り付く
-
救援右腕・ロレンゼンが代打決勝ソロ!休養日にお見事“二刀流”