日本ハム・王柏融、移籍後初マルチ 初お立ち台に「興奮」

2019年04月01日 05:30

野球

日本ハム・王柏融、移籍後初マルチ 初お立ち台に「興奮」
4回無死、右前打を放つ王柏融(投手・榊原)(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   日本ハム3―1オリックス ( 2019年3月31日    札幌D )】 大王の新たな一日だ。日本ハムの王柏融外野手(25)が31日、オリックス戦に「5番・左翼」で先発出場し、移籍後初の適時打と複数安打をマーク。2安打1打点の活躍で3―1の勝利に貢献した。来日後、札幌ドームではオープン戦も含めて計6試合で19打数2安打、打率・105と鬼門だったが、地元ファンにさすがのバットコントロールを披露した。
 降り注ぐ大歓声が心地いい。「大王」が迎えた新たな一日。王柏融が本拠地の重圧に打ち勝った。初のお立ち台に上がり、札幌ドーム3日連続満員の4万1138人から温かい拍手を送られ、満面の笑みをこぼした。

 「興奮している。いいところを見せられてよかった。応援していただけるのはありがたい。これからもファンを喜ばせたい」

 4回に2試合連続安打となる右前打。初の適時打はその直後だった。2―1で迎えた5回1死一、三塁。カウント1―2と追い込まれたが、カーブ、直球と際どいコースを見極めた8球目だ。外角スライダーに詰まりながらも左前へ落とし、チームに貴重な追加点をもたらした。詰まっても外野へ運び、ヒットゾーンへ落とす。王柏融の技術だった。

 台湾球界では「大王」と称され、16、17年に打率4割をマーク。輝かしい実績を誇る好打者に、球団も外国人では異例ともいえる3年契約の好待遇で出迎えた。ただ、チームやファンの期待に応えたい思いが王柏融を空回りさせていた。

 札幌ドームでのオープン戦4試合は10打数1安打。「ずっと“本拠地で打ちたい”と口にしていた。いい傾向じゃなかった」。金子打撃チーフ兼作戦コーチは強い意欲が力みにつながっていると分析していた。そこで金子コーチが授けたのは「Every day is a new day(毎日が新しい日なんだ)」という米国のノーベル文学賞作家・ヘミングウェーの名言。これで王柏融が感じていた「硬さ」が消えた。29日の開幕戦は4打数無安打。前日30日に来日初安打が飛び出して「リラックスできて球がよく見えるようになった」。そしてまた新しい一日のこの日、巧みなバットコントロールで来日初打点をマークした。

 日本でも4割への期待は大きい。でも、王柏融は言った。「自分の成績よりもチームの成績を最優先にしてチームの優勝に貢献したい」。これから迎えていく「新しい一日」にどれだけ安打を積み重ねるのか。その先に「歓喜の一日」が待っているのは確かだ。(東尾 洋樹)

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