プロ野球にとって特別な「4・12」 亡き闘将は何を思う
2020年04月12日 09:30
野球
楽天は1―1の7回、嶋の決勝3ランで勝った。「見せましょう、野球の底力を」。10日前の慈善試合で感動を呼ぶスピーチをした選手会長の1発。星野仙一監督も「嶋の底力を見た」と称えた。
その星野監督は「ホッとした」と言い、目を潤ませていた。8年ぶりの現場復帰で開幕戦白星。ただ、自身のことはどうでもよかった。東北の人々の苦悩が目に浮かんだ。「監督、涙が…」と聞くと、「それが普通じゃないか」と優しく言われたことを思い出す。
中日で闘将と呼ばれ、03年には阪神を18年ぶりのリーグ優勝に導いた男。五輪監督も務め、他の球団からも監督のオファーがあった中で、東北の地を選んだ。そして、未曾有の事態が起きた。それでも、星野監督はこう言って優しく笑った。
「それが、俺の運命やないか」。その目は、使命感に駆られていた。開幕前に避難所を訪問。中年男性から「今さら来たって遅いんだ!」と怒鳴られても、優しく微笑み、手を握って勝利を約束した。闘将には、運命を受け入れる強さがあった。2年後の13年には初優勝に導き、東北に歓喜をもたらした。
復興への開幕戦勝利から、ちょうど9年。開幕延期は震災以来である。新型コロナウイルスの猛威は止まらない。「見えない敵」は世界中を恐怖に陥れ、プロ野球は開幕どころではない。ただ、ひとつ言えるのは、スポーツには閉塞感を救う力がある。「国民的スポーツ」であるプロ野球を無観客でも見たいと思う人は多いだろう。
闘将が存命なら、何を思い、どんな発信力を見せてくれるのだろうか。話を聞きたい。(記者コラム・飯塚 荒太)
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