夏の甲子園 中止の方向で検討 3年生“花道”に各都道府県が独自の地方大会開催を探る
2020年05月16日 05:30
野球
日本高野連の小倉好正事務局長は「決定していることは何もない。20日の運営委員会で協議します。それしか言えません」と最後まで検討する方針を示唆。しかし、緊急事態宣言が14日に39県で解除された状況でも、高野連関係者は「解除は、これ以上延長すれば経済が立ちゆかなくなるから。感染を抑え込むという観点からすれば、まだレッドゾーン。球児にはかわいそうだが、全国大会の開催が難しいのは当たり前だろう」と語った。
日本高野連には保護者からの「何とか大会を開催してほしい」との署名が届く。それでも中止に傾いた最大の理由は、(1)部活動の再開の前提条件となる学校の再開が当初の予想より遅れたことと、(2)甲子園出場にあたって長距離移動と宿泊が伴うこと、だった。
緊急事態宣言は首都圏では継続。学校再開は最短でも6月上旬の見通しだ。分散登校などの段階を経るため、部活動再開は早くても6月下旬。「通常授業が再開できるまで部活動は再開しない」と方針を出している県もあり、準備期間を十分に確保できないのは明白。49代表が出そろうのは難しい。仮に地方大会が決行されて代表校が出そろっても、甲子園への移動や宿泊の間に感染のリスクが常につきまとう。
4月26日には、夏の甲子園大会と同時期に開催予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止が決定。関係者は「インターハイの中止もそうだが、プロ野球が(現時点で)開幕日を決定できなかったことも大きい」と話した。今夏の大会が中止になれば、戦争での中断を除き、史上初めて春夏連続で甲子園大会が開催されないことになる。
中止の最終結論が出れば、各地方高野連は独自での地方大会開催へ検討を加速させる。既に、健康面に配慮したイニング短縮案や、無観客開催による収入減を補うために参加料を徴収するなどの案が浮上している。3年生の「最後の夏」となる舞台を演出すべく、最後まで知恵を絞る。
▽過去の甲子園中止 夏の甲子園が中止となったのは過去2度。1918年の第4回大会は富山県で勃発した米騒動が全国に波及した影響で、代表14校が現地入りしていたが大会直前に中止に。14校の出場回数には含まれている。41年の第27回大会は戦局悪化により文部省次官の通達で全国的なイベントが禁止され、地方大会の途中で中止。翌42年春~46年春まで中断された。2020年春の第92回選抜高校野球大会は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて無観客開催の準備を進めたが開幕8日前の3月11日にセンバツでは史上初の中止が決まった。
▽全国高校野球選手権大会 1915年に大阪府の豊中球場で全国中等学校優勝野球大会としてスタート。各地区代表校10校が参加、京都二中が初代優勝校に輝いた。17年の第3回大会から兵庫県の鳴尾球場、24年の第10回大会から同県の阪神甲子園球場に舞台を移した。58年の第40回記念大会で初めて全国47都道府県の代表校が参加。2018年には節目の第100回を迎えた。最多優勝は中京大中京(愛知)の7度で、広島商の6度が続く。松山商(愛媛)と大阪桐蔭はそれぞれ5度制している。
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