夏の甲子園大会の通常開催を断念した際は…考えてほしい「夏の選抜」
2020年05月16日 09:00
野球
大会を主催する日本高野連は今月20日に運営委員会を開催し、開催可否を協議する予定だ。大学野球選手権の中止が決まった12日には小倉好正事務局長が「できるかぎりの準備を行い、慎重に協議いたします」とコメントし、15日の「夏の甲子園中止へ」の一部報道に対しては同日に「決定していることは何もない。20日の運営委員会で協議します。それしか言えません」と答えるにとどめた。あくまで最短決定は20日としているが、慎重に協議した結果として、夏の甲子園大会の通常開催中止を決める可能性が高いようだ。ただ、とにかく今は、20日の日本高野連の協議結果を待つしかない。
その日まで少し時間があるので本稿では一つ問題提起したい。夏の甲子園に関して「通常開催」か「中止」――という2つの選択肢以外に道はないだろうか。通常開催の断念を余儀なくされた場合でも別の形で「夏の甲子園」を開催する案、各都道府県大会の「無理な運営」を回避しつつ代表校を甲子園に集める手はないだろうか。
そこで私はこの場を借りて、一案を提案させてもらう。あくまで夏の甲子園大会の通常開催の断念が決定した場合だが、その時は中止となった今春選抜大会の出場権をえていた32校で「夏の選抜」の開催を模索するというのは、荒唐無稽だろうか。昨秋の公式戦を勝ち進んで甲子園切符を手にした32校で甲子園大会を開催できれば、通常開催断念の一つのネックとされる各都道府県大会で代表の座を争う必要がなくなり、出場校には大会まで最低限の時間的猶予が生じる。そして今後の新型コロナウイルス感染状況を見ながら、ギリギリまで開催可否を見極めることもできる。粗い提案であることは分かっているが、決して非現実的な夢物語でもないと思う。
長々と論じたが、もちろんベストは例年通りの夏の各都道府県大会、全国選手権大会の開催だ。そのために、日本高野連を始めとした全国各地の高校野球関係者が必死に知恵を絞り、議論を重ねている。それでも通常開催の断念を余儀なくされた時――。その際には「夏の選抜」開催の可能性を探るのも一手ではないだろうか。前代未聞の取り組みになるが、そもそもコロナ禍自体が未曾有の事態。他にもっと良い案があれば、それを検討してもらいたい。夏本番まで、まだわずかながら時間はある。5月20日に「夏の甲子園」自体の有無を決めてしまうのは、少し早い気がする。(大阪報道部遊軍・惟任 貴信)
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