【阪神新人連載】佐藤輝にあった虎との縁 タイガースジュニアでは背番号8 4年前には育成での獲得案も

2020年12月10日 11:00

野球

【阪神新人連載】佐藤輝にあった虎との縁 タイガースジュニアでは背番号8 4年前には育成での獲得案も
タイガースの帽子をかぶり、弟・太紀(右)くんと写真に収まる佐藤輝(家族提供) Photo By 提供写真
 【牙を研ぐルーキー2020 1位・佐藤輝明内野手(2) 】 晴れて阪神の一員となった輝明だったが、猛虎との縁はそれ以前からつながっていた。西宮市内で生まれ育ち、小学時代はファンクラブに入会。さらに、軟式野球「甲東ブルーサンダース」に所属していた小学6年時には「NPB12球団ジュニアトーナメント」を戦うタイガースジュニアに選出された。タテジマに袖を通したが、選出されて程なくして右肘を負傷。結局試合に出場することはなく、三塁のランナーコーチを務めたのみだった。
 当時タイガースジュニアの監督だった大熊忠義氏(77)も輝明が選ばれていたことを「覚えていなかったです」と苦笑い。打撃コーチを務めていた宮内仁一氏(53)も「背の高い子という印象ぐらい」と言うが、類いまれな打撃センスを後に目の当たりにすることになる。

 宮内氏は小、中学生を対象に「宮内野球塾」を開校しており、ロッテの藤原や広島・小園、巨人・岸田らを指導してきた。同野球塾が個人レッスンで使用している兵庫県内のバッティングセンター「シャローム」に、輝明も高校、大学時代とよく訪れていたという。「詰まったり、バットの先に当たっても、打球のほとんどがネットの上部に突き刺さる。これまで私が見てきた選手の中でも群を抜いて格が違った。ここまで来るとは思っていなかったです。阪神との縁を感じますし、頑張ってほしいですね」。右肩上がりの成長曲線に目を細め、プロでの躍動を願った。

 もう一人、阪神関係者で注目していたのが、熊野輝光スカウト(63)だ。仁川学院の他の選手を担当していた同氏は「当時から体が大きくて光るものはあった。バッティングも柔らかいものがあり、バットに当たれば…という感じ」と潜在能力を認めていた。実際に3年夏の兵庫大会を視察し「育成であれば面白いものはあるんじゃないか」と上層部への推薦も考えたほどだったが、既に近大進学の話が進んでおり断念。今回のドラフトでは4位の栄枝(立命大)を担当した熊野スカウトは、近大―立命大戦で輝明のプレーを見る機会もあり「担当からは外れてましたが、(高校からの)成長を感じていました。(1位指名に)感慨深いものはありましたね」と笑顔で振り返った。

 阪神で付ける背番号8は、タイガースジュニア時代も付けた番号だ。母の晶子さん(48)は「タイガースジュニアの頃のユニホーム姿はあまり練習とかでも見れていないんです」と愛息のプロでのタテジマ姿を待ち望んだ。「プロで長いこと付けて、8番に愛着が湧くように」と輝明は力を込め、スタートラインに立った。(阪井 日向)

 ◆佐藤 輝明(さとう・てるあき)1999年(平11)3月13日生まれ、兵庫県出身の21歳。甲陵中では軟式野球部に所属。仁川学院では高校通算20本塁打で甲子園出場はなし。近大では1年春からリーグ戦に出場し、通算14本塁打は新リーグ(82年創設)記録。1メートル87、94キロ。右投げ左打ち。

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