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大物新人に示した先輩の貫禄 さく越え12発の糸井は絶口調「佐藤は同じ生駒で育った野人」

2021年02月03日 05:30

野球

大物新人に示した先輩の貫禄 さく越え12発の糸井は絶口調「佐藤は同じ生駒で育った野人」
ランチ特打中に笑顔を浮かべる糸井(撮影・坂田 高浩) Photo By スポニチ
 阪神の糸井嘉男外野手(39)が2日、沖縄・宜野座キャンプで自身初の屋外フリー打撃を行い42スイングで12本の柵越えを披露。近大の後輩で、外野の定位置を争うドラフト1位・佐藤輝に貫禄を示した。緊急事態宣言の延長で新外国人のロハス(韓国・KT)が開幕に間に合わない可能性が高くなる中、チーム最年長となった超人が124年ぶりに2月2日となった節分で存在感を示したのも決して偶然ではない。
 大物ルーキーが注目されるキャンプが気にくわないわけではない。ただ、糸井はまだ世代交代は早いのではないかとは思っている。佐藤輝の印象を聞かれても決してかわすことはしなかった。

 「状態が何パー(セント)とかはない。まあボチボチ。佐藤は同じ(近大グラウンドがある)生駒で育った野人なんで。もうホンマ、楽しみにしている」

 合流したマルテ、サンズと初の特打を実施し42スイングで12発。最後は右翼後方ネットへ推定130メートル弾をたたき込んだ。後ろでサンズが手を叩いて驚く圧巻の一撃で、柵越え1本に要したスイングは「3・5」。特打を含め59本の佐藤輝の「5・3」に対しても圧勝だった。

 「もう、僕の下が野手では10個くらい離れるのかな。なんで、年齢でもサバ読もうかな。(佐藤輝とも)ちょくちょく話はするけどアドバイスはない。持ってるもんとか、誰もが認める打球を打ってるし、堂々とやってほしい」

 藤川が引退し福留と能見が抜けチーム最年長になった。7月で40歳になり、正確には日本人野手では次は6年下の俊介になる。昨年はわずか86試合出場で打率も・268。2本塁打。年齢の波が押し寄せ、外野のポジションを与えられる立場でないことは自覚し1年生の後輩がライバルの一人になるなど危機感を抱く。

 「僕もレギュラー確約があるわけではないので調整とかそういうのじゃない。昨年は膝の水がたまった状態が抜けなかったが、今やっとここまで。オフは時間をいただいて、ここまで持ってこられた。ゆっくりできる立場じゃない」

 多くが別メニューだった初日から一転、屋外での「アピール」の真意は、矢野監督の言葉にも示される。「嘉男がここまでやってきた意地とかプライドもあって、そういう意気込みで来てくれている。勝負していく、新たに挑戦していくと捉えてくれている」。

 緊急事態宣言の延長で「3番・左翼」を予定するロハスが開幕に間に合わない可能性も高く、糸井の存在がクローズアップされる。「それは周りが判断すること。状態が悪くて勝負できなかった部分があるので、しっかりとやって戦力になれるように」。超人復活の期待が高まっている。(畑野 理之)

 <糸井と一問一答>

 ――当面の照準は。

 「去年ああいうシーズンで、調整とか言ってられない。どういう状況が起こっても、できるように」

 ――例年と比べて体調の良さは。

 「まあボチボチ」

 ――佐藤輝と自身の入団時と比べてどう。

 「僕、ピッチャーです。ピッチャーと野手の違いちゃう。ふるまい? 難しいな、それ。持ってるもんとか、誰もが認めるような打球を打ってるし、堂々とやってほしい」

 ――外野の競争についてはどのように考える。

 「僕もそういう(レギュラー確約の)立場じゃない。ただ、改善しないといけない点を、しっかりやって勝負できる状態にしたい」

 ――キャンプに懸ける思い。大事な時間になる。

 「毎年懸けてます。毎年大事です」

 ○…緊急事態宣言の延長に伴い、新外国人のロハスとアルカンタラ(韓国・斗山)の来日が大幅に遅れシーズン開幕に間に合わない可能性が高くなった。沖縄キャンプを視察中の谷本修球団本部長が「(2人とも)体をつくって準備はしてくれていると思う。(ビザ発給などが)動き出さなければ、いかんともしがたい状況」と話した。

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