【畑野理之の理論】徹底内角攻めも「怖さ」見せた佐藤輝のフルスイング

2021年03月10日 08:00

野球

【畑野理之の理論】徹底内角攻めも「怖さ」見せた佐藤輝のフルスイング
<阪神>7回、佐藤輝の内角を攻める島内と会沢のバッテリー Photo By スポニチ
 【オープン戦   阪神6ー4広島 ( 2021年3月9日    甲子園 )】 会沢はエゲつなかった。阪神の7回の攻撃で、広島はバッテリーを島内―会沢に入れ替えてきた。小野寺が倒れた1死。佐藤輝を迎えたところで、ミットを体に近いところに構えて初球から徹底的にインコース攻めだ。
<1>152キロ 高めボール
<2>151キロ 空振り
<3>154キロ 空振り

 そして<4>球目の真ん中低めフォークボールで空振り三振。

 長く正捕手に君臨する17年からの3年連続ベストナイン選手。注目を集めている敵のドラ1くんを、ちょっと今のうちに試しておこうの心境だったか。打たれてもかまわない。どんな反応を示すか確かめられれば、それでよかったのだろう。

 同じ左打ちの強打者だった岩本貴裕スコアラーがキャンプインから張り付いている。外角球を逆方向へ放り込んでしまうパワーはすでにデータとして上がってきているはず。第1打席で右腕・矢崎の外角スライダーを強烈な右前適時打。外はやっぱりバットは届くのか…。5日のソフトバンク戦では開幕投手に内定している石川の外角直球を左翼席へ。2月21日の練習試合(宜野座)では森下の外角直球を右中間二塁打し、会沢は代打出場だったが、おそらくベンチで見ていただろう。

 ならば内角はどうなのかと、予定どおりの情報戦というわけだ。スポニチ評論家陣などネット裏でささやかれている「佐藤輝のもしかしたらの弱点」が、内角球への対応と、フォークボールやカーブなど縦の変化だ。会沢はその2つをわずか4球で確認したのはさすがだが、しかし、佐藤輝は2球目も3球目も豪快な空振りだった。もし当たれば…と思わせるようなフルスイングだった。5131人の観客が、それだけでどよめくような力強さだった。そもそも島内のナイスボールで、150キロ超の内角球なんてどんな打者でも打つ方が難しい。一度もバットに当たらなかったが、むしろ広島バッテリーに「怖さ」を与えたのではないか。あれだけ気持ちよく振れるのであれば、内角は全然、弱点には見えなかった。

 両軍ともこの日に並んだオーダーが、26日の開幕戦のスタメンに近いものだったはず。はたして佐藤輝は「6番・左翼」なのだろうか…。かなり強力な打線が期待できそうだ。(専門委員)

おすすめテーマ

2021年03月10日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム