オリックス・吉田正 22年は「無双」宣言 連覇、そして日本一へ “どうしようもない”打者になる
2022年01月01日 08:00
野球
新年を迎え、目指すところはリーグ連覇、今度こそ日本一。個人としては1番を。昨季は、いいペースだったから悔しいですが、運命。1年間ケガなく戦わないと見えてきません。令和初の3冠王といわず、安打も出塁率も、本塁打を打つだけでなく、四球も選ぶけど、安打も打つ。全て高い数字にして“もう、どうしようもない”と思われる打者を目指します。
東京五輪もあった昨季。タフな一年になるだろうと予想していて、まさにその通りで。真夏の五輪の1カ月は体力もそうだし、それ以上に、いろいろなキツさというか味わえないような。金メダルの達成感から後半戦に入る時は、戦い抜いたという、フワフワしたものがありましたが、すぐにチームに戻れたのは、オリックスで優勝したい思いからでした。
苦しい時期もありました。左太腿裏の肉離れから復帰した直後に死球で右尺骨骨折(※1)。折れていないかなと思っていた中で、全治2カ月以上…。“今季は、もうだめか”と。普段なら避けられました。肉離れからトレーニングせずに上がり、真っすぐがうまくはじけなかった。何とか結果を出したい気持ちから真っすぐを引っ張りにいった分、体が先に開き、点で打とうとしてしまった。避けるのも技術だし、できなかった自分が悔しかった。勝負の世界なので。大関投手も大変だったと思う。僕としては次の対戦が楽しみというだけで恨みなんて一切ありません。
骨折から1カ月、CSで復帰するんだと無理を押し通しました(※2)。何とか日本シリーズにも出場できましたが、初戦でサヨナラ打を打てたけど、それまでは明らかに…。抜けた、越えたという感覚が全部アウトでした。後で打球速度を見ましたが落ちていた。ベストな状態かどうかで、ここまでズレるのかと。1打席目(二ゴロ)も抜けている(感覚)、3打席目(中飛)も越えている打球、あわよくば本塁打という打球だった。常に試合に向けて準備して、いい状態を維持する大事さをあらためて感じました。
家族のサポートの大きさも痛感しました。左太腿裏の肉離れをした時は、妻(ゆり香夫人)は妊娠もあり体調が優れず帰省していました。夫婦で2年目以降ずっと戦ってきた中で、3年連続全試合出場(※3)ができたのは、強がって普段はなかなか言えないけど、絶対に妻のおかげ。妻は栄養バランスを考えて何種類も料理を作ってくれますが、(夫人不在の食生活は)緩んでいたと思う。妻も責任感があるから後悔していたし、だからこそ早く戻って戦いたいという思いが、動かしてくれたと思います。次女が誕生して家族が増えて、でも妻の負担も増える。孫の世代まで良い生活を、と思う。家族に本当にいい思いをさせてあげたい。できるだけ長く父の姿を見せたい思いもあります。
今季から背番号7を背負います。34番は希望した番号で愛着もありましたが、変えるなら、ここかと。長女は7月7日生まれで僕も7月生まれ。(34の)3+4で7とか、いろいろ考えて。憧れのブライス・ハーパー選手(フィリーズ)も3番に変わりましたし。背番号を変えて、もう一度いろいろチャレンジしたい。福本さんや糸井さん、球団が大事にしてきた7番の重さを感じながらチームに貢献したいと思います。(オリックス外野手)
※1 復帰6試合目の10月2日ソフトバンク戦4回、大関の2球目が右手首付近を直撃し交代。翌3日に登録抹消され、以降のレギュラーシーズンを欠場した。
※2 11月10日のCSファイナルS第1戦に3番・DHで戦列復帰。日本シリーズ第6戦までポストシーズン全試合に先発出場した。
※3 18~20年。17年10月7日の楽天戦から今季9月4日のソフトバンク戦まで512試合連続出場していた。
≪新サインお披露目≫ 「まだ特訓中なんですよ」。吉田正は照れながら貴重な“新サイン1号”を本紙読者3人に向け、したためた。インタビュー直前の過日に、背番号34から7への変更をお披露目。従来の縦書きから横書きにスタイルチェンジした。力強く「7」を書き込み、「いいんじゃないですか」と、仕上がりに手応えを見せていた。
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