都心の一等地に構える「野球特化型ジム」が目指す夢 最新設備備える「野球の研究拠点」

2022年01月15日 13:40

野球

都心の一等地に構える「野球特化型ジム」が目指す夢 最新設備備える「野球の研究拠点」
「ラプソード」で計測したデータを目の前のタブレットで確認できるブルペン(撮影・柳原 直之) Photo By スポニチ
 プロ野球選手でなくても、トップアマチュア選手でもなくても、誰でもレベルアップを目指して野球を楽しむことができる。完全会員制の野球特化型ジム「外苑前野球ジム(仮)」。東京メトロ銀座線「外苑前駅」徒歩30秒の一等地に昨年12月にオープンした。
 ジムを運営する株式会社Knowhereの代表を務める伊藤久史氏が「データを使って野球をする人に利用していただきたいです」とPRするように、130坪の広大なスペースに、ブルペン、打撃ケージを2カ所ずつ配置した。ハイスピードカメラ1台、トラッキングシステム「ラプソード」6台など総工費約1億円をかけた最新鋭の設備が売りだ。少年野球、学生らに交り、すでにプロも30人ほどが見学や練習に訪れており、“野球人”の間で大きな話題を集めている。

 伊藤氏は「ここで築かれるコミュニティを大事にしたいと思っています。単なる練習場にしたくありません。休眠会員もつくらない方針です」と語る。このジムで計測したデータを元に、会員同士がともに高め合えるようなネットワークづくりを主眼に置いている。

 オープンから約1カ月で「ラプソード」で計測したデータは投打含め約2万球。順調にいけば、1シーズン約25万球が計測される日本のプロ野球とほぼ同等のデータ量が集まる計算だ。伊藤氏の前職の専門は「AI」(アルゴリズム)。将来的には、その「AI」とスマートフォンを活用したデータ計測のソフトウェアの作成、普及などを視野に入れている。ジムの運営はその夢へのスタート。「あくまでも野球の研究拠点的な施設、役割にしたいと思っています」という。

 「ソフトウェアをつくって普及させるには知名度が必要でした。そのために地方ではなく、都心でこのジムをオープンする必要がありました」。伊藤氏の夢が実現すれば、モーションキャプチャーなど高価な機材を使わなくても、誰でもスマートフォン一つでフィードバックを受けることが可能になる。

 データに基づき、トレーニングを積み、上達を目指す。誰もが野球が上手くなれる環境を得られる時代が、もうそこまで来ているのかもしれない。(記者コラム・柳原 直之)

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