ヤクルト・高津監督 候補7年目の殿堂入り、“ナンバー2の男”が恩師・ノムさんにまた一歩
2022年01月15日 05:30
野球
アマチュア時代は常に「ナンバー2」の男で「(高校、大学の)厳しい7年間があってプロに入れた」と振り返る。広島工ではエースの陰に隠れた2番手。特徴をつくるためフォームを横手に変えた。亜大でも同期には後に90年ドラフトで8球団から1位指名を受けた小池秀郎(社会人に進み、92年ドラフト1位で近鉄入団)や阪神で活躍した川尻哲郎がいて3~5番手を争う立場。ブルペン投球の優先順位も低く、打撃投手を投球練習代わりに1日2000球以上を投げる日もあった。
努力は報われる。90年ドラフト3位でヤクルト入団。2年目のオフに掛けられた当時の野村監督の言葉が運命を変えた。「もっと遅いシンカーを投げられないか?」。大学時代から投げていた得意球の減速。最初は「直球と同じ腕の振りで、どうやって100キロを…」と戸惑ったが必死に練習し、翌93年から抑えに定着した。当時の心境を「チームが勝ちたい、その気持ちが強かった」と振り返った高津監督。最優秀救援投手に4度も輝くなど、日本歴代2位の286セーブを挙げた。
試合の最後を締める重圧は大きい。長く務めることができた要因はオンとオフの切り替えだ。試合開始直前までゲームをするなどリラックス。驚く周囲に「自分の出番は9回。それまでに気持ち、ボルテージが上がってしまうと、マウンドでアドレナリンが出なくなる」と説明した。この「心得」は大学の後輩でDeNAに入団した山崎にも伝えられ、通算170セーブを挙げるまでに成長させた。
プロ野球だけでなく04年はホワイトソックスで24試合連続無失点を記録し「ミスターゼロ」の異名を取るなどメジャーでも活躍。韓国、台湾、国内の独立リーグでもプレーした。多種多様な環境で苦労した経験は現在の監督業に生きる。昨年はチームを20年ぶりの日本一に導き「真剣勝負を見て熱狂していただくことが野球界の発展につながる」と誓う。
晴れの舞台。「野村監督はどんな言葉を掛けてくれるか?」と問われ「褒めてくれると思う。ただ、そんなに多くの言葉ではない。おめでとう、ぐらいは言ってくれるかな」と天国に思いをはせた。目標は恩師が率いていた頃のような常勝軍団。まだまだ道半ばだ。(青森 正宣)
《「もう一回獲ってもいいかな」珍プレー大賞も“持ってる男》昨年に20年ぶりの日本一に輝いた高津監督は「正力松太郎賞」も受賞するなど、このオフは表彰ラッシュだ。最優秀救援投手4度、日本シリーズで4度の胴上げ投手、メジャーでは05年に所属したホワイトソックスで世界一リングも手にした「持ってる男」。報道陣から「珍プレー大賞も獲ったことがあるが、今後、欲しい賞は?」と問われ「珍プレー大賞は、もう一回獲ってもいいかなと思います」と返答して笑わせた。
◇高津 臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日生まれ、広島県出身の53歳。広島工では3年春夏の甲子園に出場。亜大を経て90年ドラフト3位でヤクルトに入団。04年に海を渡りホワイトソックス、メッツでプレー。06年にヤクルトに復帰し、退団後は韓国、台湾球界や独立リーグでもプレーした。20年からヤクルト監督。NPBでの通算成績は598試合で36勝46敗で、プロ野球歴代2位の286セーブ、防御率3.20。最優秀救援投手賞4度。右投げ右打ち。
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