本紙記者が明かす殿堂入り山本昌氏の素顔 「少年の心を持つ大ベテラン」旺盛な好奇心が若々しさの秘密

2022年01月15日 05:30

野球

本紙記者が明かす殿堂入り山本昌氏の素顔 「少年の心を持つ大ベテラン」旺盛な好奇心が若々しさの秘密
<2022年野球殿堂入り発表>笑顔で会見する山本昌氏(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 【野球殿堂入り発表 】 「少年の心を持つ大ベテラン」という印象をずっと抱いていた。殿堂入りされた方に失礼を承知で言わせてもらえば、山本昌氏は現役時代からすごく親しみやすい人だった。駆け出しの記者だった自分が02年に中日担当になった時には、すでにチーム最年長投手。最後に担当した15年まで実に13年間、それは変わらなかった。野球はもちろん、趣味の車やラジコン、昆虫の話、競馬や他競技のことにも驚くほど詳しく、いろんなことを教えてもらった。
 晩年の春季キャンプは、2軍・読谷組でマイペース調整。チーム本隊はバス移動する、宿舎から球場までの約2キロを歩いて往復する「マサ散歩」で話を聞くのが恒例だった。広大なサトウキビ畑の横道を散歩中に、小動物が眼前を横切ると「あれはマングースだな」と雑学を披露。ヘビの死体には「ハブとは頭の形が違う」と興味津々だった。

 好奇心旺盛な少年がそのまま大人になったような人間性が、驚異的な若々しさの秘密だと思う。本職でも毎年新しいことに挑戦し、投球フォームも微修正。40代後半になっても「もっと球は速くなると思うんだよね」と本気で話していた。

 14年キャンプの「マサ散歩」が思い出深い。ソチ五輪と重なり、男子スキージャンプで2つのメダルを獲得した葛西紀明の「レジェンド」が流行語となった。葛西が“盟友”として名前を挙げたことを伝えると「ありがたいね。カズと伊達公子さんと“レジェンドカルテット”を組みたいね」と笑顔。後日には「武豊にも来てもらわないとな」と「レジェンド会」結成に乗り気だった。

 殿堂入りで正真正銘の称号を得た大左腕。「――会」も、いつの日か実現することを願っている。(02~06、09~15年中日担当・山添 晴治)

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