国学院久我山 コツコツ初8強、“イチ流小技”さえた初回&5回にスクイズ成功!5犠打で流れ呼んだ

2022年03月26日 05:30

野球

国学院久我山 コツコツ初8強、“イチ流小技”さえた初回&5回にスクイズ成功!5犠打で流れ呼んだ
<高知・国学院久我山>5回無死一、三塁、上田はセーフティースクイズを決める(投手・川竹)(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【第94回選抜高校野球大会第7日第3試合・2回戦   国学院久我山6-3高知 ( 2022年3月25日    甲子園 )】 2回戦3試合が行われた。国学院久我山(東京)は、初回と5回にスクイズで流れを引き寄せるなど小技を生かし、6―3で高知を下し初の8強進出。木更津総合(千葉)は甲子園大会史上初の2戦連続延長タイブレークも力尽き、3―4で金光大阪にサヨナラ負けを喫した。代替出場の近江(滋賀)は、7―2で聖光学院(福島)を破り19年ぶりの8強入りを果たした。
 魔法のようなバットコントロールでも、レーザービームのように鋭い送球でもない。国学院久我山が、イチロー氏から伝授されたのは「常識を疑う」という考えだった。

 初回1死二、三塁。4番・下川辺隼人(3年)へのサインは「セーフティースクイズ」だった。一塁線に転がした打球に投手が猛チャージをかけたが、三塁走者・斎藤誠賢(3年)のスタートが上回った。本塁への送球がそれる間に二塁走者も生還した。「先制点が欲しかったので、もぎ取りにいきました」と尾崎直輝監督。2―1の5回も、スクイズを含む3者連続初球バントなどで2得点を挙げ、主導権を握った。

 昨年11月にイチロー氏から指導を受け、意識が大きく変わった。「常識を疑う」。その一つが走者のリードの方法だった。投手が投球モーションに入った際、走者は両足で跳びはねるようにリードを広げる「シャッフル」はセオリーだ。だが、イチロー氏からは「(打者の)インパクトが見えづらくなる」と教わった。先制の生還を果たした三塁走者の斎藤は「シャッフル」せず、足を送るようにスルスルと第2リードを取り、絶妙なタイミングでスタートを切った。計5犠打にバント安打1本を含む8本が単打の9安打で6得点。昨秋の公式戦は9試合で30犠打と、これまで東京勢の代名詞だった強打ではなく小技を駆使するスタイルで8強進出を決めた。

 1回戦の有田工(佐賀)戦でのセンバツ初勝利後、レジェンドから「引き続き試合を楽しみにしています」とメッセージが届いた。昨夏はイチロー氏に「ちゃんとやってよ」と指導を受けた智弁和歌山が優勝。国学院久我山には「きちんと青春」のキャッチフレーズがある。「行けるところまで行きたい」と上田太陽主将(3年)。レジェンドの教えを胸に「きちんと」勝ち続ける。(柳内 遼平)

 ≪渡辺&松本慎、両左腕が躍動≫甲子園デビューを果たした2人の左腕が躍動した。先発した渡辺建伸(3年)が、4回3安打1失点。「最後は気持ちの勝負だった」と振り返った。5回から救援した松本慎之介(3年)は5回を6安打2失点で「渡辺がいい投球を見せてくれた。勝つことができてよかった」と話した。尾崎監督は「200%の力を出してくれた。うちは誰が出ても継投できるようにそろえている」と満足げだった。

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