“二刀流”中日・根尾 大敗ムード一掃の投球「どんどんストライクを取っていこうと思った」

2022年05月22日 05:30

野球

“二刀流”中日・根尾 大敗ムード一掃の投球「どんどんストライクを取っていこうと思った」
<広・中>8回に登板した根尾は無失点に抑える(撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   中日1-10広島 ( 2022年5月21日    マツダ )】 1―10で迎えた中日の8回裏の守り。「投手・根尾」のアナウンスに球場が沸いた。赤い投手用グラブを着けた背番号7がマウンドに登ると大観衆の目がくぎ付けになった。
 「4回裏が終わって監督から言われた。(肩を)つくったのは6回ぐらいから。どんどんストライクを取っていこうと思った」

 坂倉への初球、150キロの直球は高めに浮き、2球目の147キロを右前打。続く同世代の小園は中学時代に対戦経験があり、高校時代は日本代表でチームメート。「相手がというよりアウトが取れて良かった」と言いながらも意識はあっただろう。オール直球で2ボール1ストライクからの147キロを捉えられたが右飛。さらに磯村を中飛、中村健を二ゴロに打ち取ると敵地の客席から大きな拍手がわき起こった。

 打者4人に15球を投げ最速150キロが2球、スライダーも2球披露して1回を1安打無失点に抑えた。直後の9回には先頭で「4番・投手」として打席に立ち一ゴロ。チームは今季初の4連敗で借金3となったが、躍動感あふれるプレーで大敗ムードを一掃した。

 今季は外野一本でスタートしたが、岡林、鵜飼らの台頭や京田の不振もあり、遊撃に再転向。2軍調整中の5月8日にはウエスタン・阪神戦(甲子園)で投手と遊撃手の二刀流も経験した。

 この日は投手陣が2試合連続で序盤から大量失点を喫する展開となりブルペンの負担を減らす目的での起用だった。立浪監督は「昨日も投手が多く投げている。最後一人どうしても足りなかったので投げさせた。また、こういう展開で投げることはあるかもしれない」と説明した。

 今後も遊撃での育成がメインとなるが、無限の可能性を秘めているからこそ指揮官は「これからいろいろなことを考えないといけない。根尾を何とか生かしていかないと」と含みを持たせた。(中澤 智晴)

  ○…今季外野手登録の根尾(中)が8回に救援登板。野手の公式戦登板は20年8月6日阪神戦で増田大(巨=内野手)が8回1死無走者から打者2人を抑えて以来2年ぶり。中日では66年に内野手の千原陽三郎が8試合で救援登板して以来56年ぶり。ただし千原は64年に投手として入団し、同年登板経験あり。野手で入団した選手に限れば、62年に内野手の竹中惇が救援で7試合、外野手のニュークが10月9日の大洋戦で先発して以来60年ぶりになる。

 ▼広島・小園(同学年の中日・根尾と中学1年以来の対戦で、カウント2―2から147キロ直球を右飛)楽しかった。いい球を投げているな…と感じました。また対戦できたらいいけど、僕は今日が最初で最後なのかな…と思っています。

 ◇根尾 昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日生まれ、岐阜県飛騨市出身の22歳。河合小2年から野球を始め、古川中3年時に「NOMOジャパン」入り。スキーのスラロームで全国優勝し、国際大会出場。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入りし、2年春から4季連続甲子園出場。遊撃手兼投手で3度優勝し、2年春、3年春は胴上げ投手となった。甲子園通算5勝、打率.371、3本塁打。高校通算32本塁打。18年ドラフト1位で中日入団。1メートル77、82キロ。右投げ左打ち。両親は医師。

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