日大三島、ミラクル再び 掛川西に昨秋と同じサヨナラ勝ち 春夏連続甲子園に王手

2022年07月29日 04:30

野球

日大三島、ミラクル再び 掛川西に昨秋と同じサヨナラ勝ち 春夏連続甲子園に王手
<掛川西・日大三島>延長13回、ナインに迎えられるサヨナラ左犠飛の野口(7) Photo By スポニチ
 【第104回全国高校野球選手権静岡大会準決勝   日大三島4―3掛川西 ( 2022年7月28日    草薙 )】 日大三島は延長13回タイブレークの末、掛川西に逆転サヨナラ勝利を飾った。5番・野口央雅左翼手(3年)の左犠飛で、33年ぶりかつ春夏連続甲子園出場への現実味が帯びてきた。第4シード静清との決勝は29日午前10時から草薙球場でプレーボール。
 3時間27分の死闘は306日経っても結果は同じ、またしてもミラクルが待っていた。2点差を追いついたタイブレークの延長13回1死満塁。準々決勝まで4打数無安打と苦しみもがいてきた5番・野口が、意地で打球を左翼まで運んだ。三塁走者の島田誠也(3年)が頭から生還。奇跡の主役を演じたヒーローは、本塁ベース上で待つ仲間の輪に笑顔で飛び込んだ。

 「気持ちで外野まで飛ばしました。浅かったので“行けっ”と。みんながつないでくれて、たまたま(ヒーローが)自分になっただけです」

 ナインが選抜出場を決めた当時、ターニングポイントに挙げていたのが昨年9月25日の県大会準々決勝、掛川西戦だった。同じ草薙球場で、スコアも10―9の逆転サヨナラ勝ちだった。9回2死走者なしから4番・松永陽登(3年)に続き、中前打でつないだのが野口で体が覚えていた。

 5番で再チャンスを与えてくれた永田裕治監督(58)の期待に応えたかった。今春選抜以降、調子が下降の一途。打率も「2割ちょっとしかないです」と自信も喪失し、今大会も2、3回戦のスタメンはいずれも無安打に終わり、4回戦と準々決勝は先発から名前が消えた。悔しかった。それでも直前練習で良い打球が飛び始め「何かきっかけをつかんでいるようだった。松永の後ろは大事やから」と起用に踏み切った名将から「あとは気持ちだ」と送り出されると気合が入った。

 8回の同点場面は相手の中継ミス、そして13回は代わって入った三塁手の邪飛落球から始まった。野口は「僕らには最後の粘りがあるんです」と強調。春夏連続聖地に王手をかけた永田監督も「最初の山が藤枝明誠戦。2度目の大山が今日だった。ここからのために練習してきとるんです」と目力強く、頂点を見据えた。(小澤 秀人)

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