【スポニチスカウト部(24)】健大高崎・清水「機動破壊」支えた圧倒的強肩

2022年08月02日 06:15

野球

【スポニチスカウト部(24)】健大高崎・清水「機動破壊」支えた圧倒的強肩
「4番・捕手」として攻守でチームをけん引する清水 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第24回は高崎健康福祉大高崎の捕手・清水叶人(かなと=3年)。中学時代からヤクルトの育成左腕・下(しも)慎之介とプレーした扇の要は、先輩に続くプロ入りを目指している。
 機動力で相手を圧倒する高崎健康福祉大高崎の「機動破壊」。鋭い攻撃の矛を持つ同校は、扇の要として守備を統率する清水という強固な「盾」を併せ持っていた。2秒を切れば優秀とされる二塁送球タイムで1秒77を計測する「キャノン」。相手の盗塁企図さえ許さない。走者が少しでも油断すれば、レーザービームのような捕手からのけん制球で餌食となる。

 「自分たちはずっと全国制覇を目指してやってきた」と挑んだ今夏。群馬大会決勝で惜しくも樹徳に破れて甲子園出場を逃したが「群馬に清水あり」とプロのスカウト陣に刻んだ。

 高校通算25本塁打を誇る左の長距離砲。強力打線の4番として今大会で2本のアーチをかけた。清水のように高いレベルで攻守を両立するプロ注目の捕手は全国を見渡しても、大阪桐蔭・松尾汐恩(しおん=3年)、浦和学院(埼玉)の高山維月(3年)ら数えるほどしかいない。

 自然豊かな群馬の地で、1メートル77、80キロのがっちりとした体を育んだ。「群馬の山と川が好き」と笑う清水。小学生の頃から父・秋広さん(45)と渓流を泳ぎ、モリで魚を突いて体を鍛えた。3学年上の兄・翔太さんも高崎経大付でプレーした捕手。ともに小学校の時から捕手のポジションを担った2人。兄は目標の存在であり「切磋琢磨(せっさたくま)してやってきた。お兄ちゃんからは捕手としてのあるべき姿、考え方を学びました」と目を輝かせる。

 2年春は選抜に出場。背番号12の控え捕手に出番はなかったが、ベンチから甲子園の舞台を目に焼き付け「広いし観客も多いし楽しい。もう一度、あの舞台でやることが目標」と心に刻んだ。高校野球で果たせなかった聖地へのカムバック。必ずプロ野球の舞台で果たしてみせる。(柳内 遼平)

 ≪先輩のヤクルト下に続く「ついていきたい」≫今夏の準々決勝では前橋東に9―0で7回コールド勝ち。その試合を一塁側内野席でOBのヤクルト育成左腕・下が見守った。中学の高崎ボーイズ時代から一緒にプレーした先輩は「自分の力を出して暴れまくってほしい」と後輩にエール。快勝を届けた清水は「先にプロに行っているのでついていきたい。下さんは中学の時は無名で努力して成り上がった人。そういう部分では“練習しなきゃプロにはいけないぞ”と学ぶことができました」と目を輝かせた。「叶人」の名の由来のごとく、プロ入りの夢をかなえてみせる。

 ☆球歴 美土里小1年時から「美土里タイガース」で野球を始める。藤岡西中では高崎ボーイズに所属。高崎健康福祉大高崎では1年秋からベンチ入り。遠投110メートル。50メートル走6秒7。

 ☆好物 川魚。「ヤマメや鮎が好きです」

 ☆秘技 1秒77を誇る二塁送球タイムの秘訣(ひけつ)は「体の近くで捕ってから回転すること。肩には元々自信があったので捕ってからを短縮することが大事だと思いました」

 ☆先輩からの激励 今大会ではOBのヤクルトの育成左腕・下から試合が終わるごとに激励の連絡があった。

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