日本ハム・松本剛が首位打者に飛躍した訳 金子誠コーチが愛弟子の今季を分析

2022年10月11日 06:00

野球

日本ハム・松本剛が首位打者に飛躍した訳 金子誠コーチが愛弟子の今季を分析
松本剛の打撃フォーム Photo By スポニチ
 日本ハムの金子誠野手総合兼打撃コーチ(46)が今季打率・347で初の首位打者を獲得した松本剛外野手(29)の成長を語った。球団では大下弘、張本勲、小笠原道大、稲葉篤紀に続く5人目、右打者では球団史上初の首位打者。自身の現役時代にはともに自主トレを行ってプロのイロハをたたき込み、コーチとして7年間指導してきた松本剛の今季を分析した。
 金子コーチは松本剛の転機となったのが3月9日のロッテとのオープン戦で5回に放った左中間二塁打と指摘する。「あの時の打ち方が彼の中でしっくりきて、ずっと継続できたと思う。“あっ、こんな感じ”と思ったのが開幕から逆算して凄くいい時期だった」。松本剛は早いカウントから仕掛ける「超積極的タイプ」。ただ、この1本で感覚をつかみ、開幕以降も安打が続いて出場機会をつかんだことで「何でもいっちゃう感じから、ボールをしっかり選べるレギュラーの思考になった」と分析する。

 技術的には「(投手方向に)突っ込まなくなった」。右手の使い方が改善されたことが打率向上につながった。「今までずっと見てきて、どうしても右手がいたずらしちゃう。左足を着いた時にバットが(体に)近づいたり、ヒッチしたり。でも、それが今年はほとんどない。トップの手の位置の安定感がなかったけど、今は常に同じところから出る。左足を上げて着地した時にはいつも同じ形になっている」と話す。

 打撃の「割れ」の形が安定したことで「昨年、一昨年くらいまでは打席での待ち方が左翼に引っ張り気味だったけど、今年は極端に打球方向がいい」と指摘。前回規定打席に到達した17年は110安打のうち50本(45%)が左方向、右方向は26本(24%)だったが、今季は137安打のうち左方向が50本(36%)、右方向が40本(29%)と打ち分けた。

 好成績の裏側には新庄監督の「強制的に行かされる盗塁」も大きかったという。脚力がありながら、過去10年では17年の6盗塁が最多。今季は7月の左膝骨折で後半は数が伸びなかったが、自己最多21盗塁を記録した。「無理やり走らされて体の切れが良くなった。走った結果セーフになるから、精神的にもプラスのまま次の打席を迎えるといういいサイクルが6月くらいまで続いた」と話す。

 21年のプロ生活を過ごした金子コーチ。最後に愛弟子へ「これを数年続けていくことがプロ野球の世界は本当に大変。このオフと来年が大事じゃないですか」とエールを送った。(東尾 洋樹)

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