ソフトB・藤本監督　CSキーマンに周東指名「塁に出てかき回してくれれば」

2023年10月12日 06:45

野球

ソフトB・藤本監督　CSキーマンに周東指名「塁に出てかき回してくれれば」 — ダッシュを行うソフトバンク・周東（撮影・中村　達也） Photo By スポニチ

　3位でクライマックスシリーズ（CS）に出場するソフトバンクは11日、ペイペイドームで2位・ロッテとのファーストS（14日開幕）へ向けて全体練習を行った。藤本博史監督（59）は周東佑京内野手（27）をキーマンに挙げ、柳田と近藤の3、4番コンビでの得点を理想に掲げた。今季、周東が盗塁、得点ともに記録した試合は9割超の勝率をマーク。必勝パターンで下克上を狙う。

　必勝パターンは明確だ。盗塁王の足を武器にして勝利をたぐり寄せる。藤本監督はCS突破のキーマンを「当然、周東ですね」と挙げ、「塁に出てかき回してくれれば相手バッテリーは脅威」と期待を寄せた。

　指揮官の言葉を伝え聞いた周東は「後半戦にそういうふうに点を取っているので、そういうことなんだなと思います」と話した。シーズン終盤は1番に定着し、36盗塁で2度目の盗塁王を獲得。藤本監督は「1番で出てくれれば、3番、4番（柳田、近藤）がうちの看板なんで。そこで還すという理想の野球ができれば最高」と得点の形を思い描いた。

　8月からノーステップ打法にして打撃の確実性が増し、出塁率の向上が盗塁、得点のアップにつながった。今季、周東が得点を挙げた試合は34勝6敗2分けで勝率・850を誇る。さらに盗塁と得点をともに記録した試合は、14勝1敗2分けで驚異の勝率・933をマークした。

　最終順位は3位に終わり、CSファーストSのロッテ戦は敵地で戦う。先攻となり、意識しているのが初回の攻撃。藤本監督は「先手必勝」と話し、周東は「（初回が）大事だと思っている。塁に出れば、いい形で得点パターンがつくれる」とイメージした。第1打席から出塁し、チームに流れを持ち込む。

（左太腿の裏は/まもなく全快/）　ただ、気掛かりなのは9月29日の西武戦で痛め軽度の肉離れと診断された左太腿裏の状態。この日は、室内での打撃練習を中心に患部のケアを行った。「（脚の状態は）もう少しかなと思います」と全快は間近となっている。

　藤本監督は3位でのCS進出を「決められるところで決められなかった自分の責任」とファンに詫（わ）び、「まだ日本一のチャンスはある」と下克上へ闘志を燃やした。周東も「行け行けドンドンじゃないけど、積極的に行くところは行かないといけない」と活躍を期した。必勝の得点パターンでファーストSを突破し、王者・オリックスへの挑戦権を勝ち取る。（森　寛一）