「いつも発奮してますから!」猛虎の精神的支柱・原口文仁に“言動力”は必要なかった

2023年11月08日 10:14

野球

「いつも発奮してますから!」猛虎の精神的支柱・原口文仁に“言動力”は必要なかった
阪神・原口 Photo By スポニチ
 2013年以来、第7戦までもつれた阪神とオリックスの日本シリーズは、阪神の38年ぶりの美酒とともに幕を閉じた。数日が経過した今でも、特に関西では余韻覚めやらぬ状況が続いている。
 スポニチ大阪版では、猛虎の日本一企画として、第7戦翌日の11月6日付で趣向を凝らした記事をいくつか掲載した。村上と森下が互いをイジり合う漫才のような「トークバトル」、岩崎の人気コラム「成し遂げる」の集大成バージョン、そして、各選手に「今年、誰かに言われた印象深い言葉」を語ってもらった「言動力」。この「言動力」のコーナーは、限られた時間の中で担当記者がかき集めた自信作でもある。

 中でも、原口に「何か発奮するきっかけになる言葉はあったか?」と訪ねた際の返答が印象深い。

 「いつも発奮してますから!(テンションが)低いところがない。1年間、温度感が変わることなく臨めたので…言葉はないですね」

 振り返れば今季、原口が下を向いて歩いていたり、落ち込んでいたりするシーンは見たことがなかった。代打で出場し、凡退してもすぐにベンチの最前列で声を出す。シーズン終盤には、どれだけ結果が出ずともヘコんだ顔一つ見せず、連日、試合前の円陣で大声を張り上げた。

 「(円陣は)別に僕が動かなくても、みんな盛り上がっているけど、士気が上がるようにするには何か(いい言葉は)あるかな、と考えている感じ」

 今では猛虎の流行語となった「バモス!」も、この円陣での原口の雄叫びがきっかけ。だから、ナインは誰しもが全幅の信頼を置く。大山は「原口さん、糸原さんがベンチで盛り上げてくれる」と語り、同じく代打で出番を待つ糸原も、原口の準備の仕方に感銘を受けている。まさにチームの精神的支柱。野手最年長の背番号94の存在なくして、虎の躍進はなかったと言っても過言ではないだろう。

 歓喜のビールかけ。原口はパインアメのかぶり物を装着し、心行くまで祝宴を楽しんだ。一夜明けた6日朝、「ちょっと休みますけど、そんな長くは休まない。また、来年に向けて動き出します」と決意を語った。2009年ドラフト6位で入団した男は、来季は節目のプロ15年目へと突入する。リーグ連覇、そして日本一連覇へ向け、原口の旅はまだ続いていく。(記者コラム・八木 勇磨)

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