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【虎番リポート】佐藤輝、絆に彩られた甲子園最終戦 同期・佐藤蓮との再会、引退・秋山との別れ

2024年10月02日 05:15

野球

【虎番リポート】佐藤輝、絆に彩られた甲子園最終戦 同期・佐藤蓮との再会、引退・秋山との別れ
9月30日、ファイナルピッチセレモニーを終えた秋山(左)と握手を交わす佐藤輝 Photo By スポニチ
 9月30日、猛虎はレギュラーシーズンの甲子園最終戦(対DeNA)を迎えた。前日29日に2位が確定。CSへ向けた調整にも余念がない佐藤輝にどうしても聞きたいことがあった。この日、4年目で1軍初昇格を果たした佐藤蓮のことだ。
 名字も同じ、大卒同期。7月に佐藤蓮が支配下契約を結んだ際は、笑みを浮かべながら祝福した。「おめでたいですね。背番号98?シブっ!」。入団時の「30」から3倍以上に増えながら「下1桁」が自身と同じ「8」であることにも反応していた。一層うれしい「初1軍」にどんな反応をするのか。練習が終わったタイミングで声をかけた。

 「楽しみっすね~!背番号、だいぶシブいでしょ。(佐藤蓮に)“三振狙ってほしい”って言ったら“サードゴロ打たせるわ”って言われたので“やめてくれ”って(笑い)」

 薄暗い通路に陽気な声が響いた。20年ドラフト組は“ダブル佐藤”の他に伊藤将、栄枝、村上、中野、高寺、石井、育成・岩田の計9人。現主力も多い。佐藤蓮の昇格で支配下入団の8選手は皆、1軍を経験した。そして佐藤蓮はその夜、早速デビューし、圧巻の3人斬り。育成契約も経た苦労人の力投を、佐藤輝は三塁から頼もしそうに見つめていた。

 再会の裏には、一つの別れもあった。試合前、今季限りで現役を退く秋山の引退セレモニーが盛大に催された。タテジマ一筋15年、故障から何度もはい上がった不屈の男。虎党にも深く愛された先輩には敬意が口をつく。

 「お疲れさまです。15年間、凄く長いので…。そんなに長い間プレーされているのは凄いな、と思います」

 秋山とはルーキー時代に食事をともにしたことがあった。当時の記憶は薄れつつあっても、百戦錬磨の右腕と過ごした時間は決して色あせることはない。絆に彩られた聖地の夜を終え、レギュラーシーズンも3日DeNA戦(横浜)を残すのみとなった。秋山に託された「日本一」の夢。約束の美酒は、主砲のバットでつかみ取る。(八木 勇磨)

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