【浜田剛史の目】王者冷静…内山と実力差ありすぎた
2016年01月02日 05:30
格闘技
実力差がありすぎた試合となった。挑戦者のフローレスは、体の柔らかさを利して上体をクネクネと動かし、当てにくい状態をつくって立ち向かった。
これに対し内山は、どっしりと構えて少しも動じない。スタートの直後から相手をのんでかかり、相手もそれにのまれてしまっていては、勝負は決まったようなものだ。上体を動かしてはいても、肝心の足が動いていないフローレスは、内山の前進に動けなくなり、3回、右を打たれ、左のボディーアッパーを突き刺されてもん絶してしまった。
実力差がありすぎた試合とはいえ、内山は冷静に戦い方を組み立てていた。サウスポーの相手が右に回るのに合わせ、自身も右に回って右を叩き込みやすい体勢をつくっていたことなど、決着は左だったがボクシングの完成度の高さを見せてくれた。V11を達成し、今後の体調の維持やモチベーションなどが気にかかるところだが、海外進出や日本記録のV13などを目標に、これからもファンの期待に応えてほしい。 (元WBC世界スーパーライト級王者)