【浜田剛史の目】井上尚 河野とのパンチの威力の違いは歴然

2016年12月31日 07:45

格闘技

【浜田剛史の目】井上尚 河野とのパンチの威力の違いは歴然
6回、1度目のダウンを奪い、コーナーに駆け上がった井上 Photo By スポニチ
 【WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ   ○王者・井上尚弥 6回1分1秒TKO 同級10位・河野公平● ( 2016年12月30日    有明コロシアム )】 河野が攻めてきた5回、井上は足を止め、ブロックして返そうと試みた。驚かされたのは6回、再び攻めてきた河野に対し、今度は足を使って動き、相手の空振りを誘って返す戦い方に出たことだ。この切り替えは、口で言うほど簡単なことではない。しかし、井上にはそれができてしまう。結果、ダウンを奪う左フックをさく裂させた。
 スピード、パンチ力とその切れ、攻撃力…どれを取っても井上が一枚上。河野はどれだけ粘って我慢できるかが、この戦いの鍵を握っていた。粘って試合を長引かせ、相手の疲れを誘うことが一つの手だったからだ。

 それをベテランの河野が全くできなかったわけではない。井上の放つボディーは効いていたが、河野のブロックの上に打つパンチも当たっていた。だが、河野が5発打てば2発返されて前進を止められ、威力の違いは歴然だった。

 井上が5、6回に見せた切り替えをはじめ、技術、幅など総合力の差が出た。来年はビッグマッチに向かうプランもあり、打ち合いもでき、足を使って距離を取ることもできる技術に磨きをかけてほしい。 (元WBC世界スーパーライト級王者)

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