村田 元米国王者を破壊、強烈KО 12戦全勝さあ世界戦!
2016年12月31日 05:30
格闘技
当初は興行に村田の名前はなかったが、世界初挑戦の予定だった井上尚弥の弟・拓真が11月9日に負傷し、キャンセルとなった。穴埋め役を買って出たものの、5試合ぶりの国内戦。国内では期待の裏返しかヤジも飛ぶ上、今回は世界前哨戦とあって「最低限、勝たなきゃいけない気持ちがあった」と硬さもあったが、4連続KO勝利で結果を出し「また判定やったらボロクソ言われると思ったんで」と笑った。
世界戦は秒読み段階に入った。標的はWBO王者サンダース。WBOはスーパーウエルター級王者アルバレスに対し、サンダースへの指名挑戦権を与えたが、人気者のアルバレスも5月に元WBCミドル級王者チャベスJrとのビッグマッチを計画中だ。帝拳ジムの本田会長はサンダース戦の実現は、アルバレス―チャベスJr戦の成立次第と説明し「1月には分かるでしょ」。国内の会場を来年3月に押さえてはいるものの「日本と英国と両方での条件を提示している」と敵地戦を覚悟の上で交渉を進めている。
この日の会場・有明コロシアムは13年8月のデビュー戦と同じリング。「一歩一歩やってきて、やっと射程距離に来た。やっぱり世界王者になりたい」と実感を込めた。セコンドの助言を聞き入れ距離を修正する「器用さ」を身につけ「振ってくる右も見えた」と試合での「冷静さ」も備えた。KO負けのない相手を一撃で沈め「今日の相手が一番強かった。それを倒せたことが自信になる」。手に残る感触とともに、いよいよ村田が夢のリングに立つ。
▼浜田剛史氏 世界挑戦に向けてGOが出せる試合内容といっていい。相手は足を使い、打ってくる選手だが、村田の重圧と上下への攻撃の組み立てで動けなくなっていた。ダウンさせたパンチにしてもパワーを感じさせた。世界前哨戦として合格点、90点をつけたい。
◆村田 諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれの30歳。南京都高―東洋大。高2で高校3冠を達成するなどアマ通算138戦119勝(89KO・RSC)19敗。11年世界選手権ミドル級で銀メダルを獲得し、12年ロンドン五輪では日本勢48年ぶりとなる金メダルを獲得した。13年8月プロデビュー。これまで米ラスベガスで2試合、中国で3試合行った。身長1メートル82の右ボクサーファイター。
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