新設されるA級トーナメント戦2大会 優勝賞金100万円は寂しいが…
2019年05月14日 08:15
格闘技
優勝賞金はどちらも100万円。ファイトマネーは別とは言え、3試合勝ち抜いてこの金額だと、「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」という企画もあるだけに、少し寂しい気もするが、その開催意義は比べものならない。
その「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」の挑戦者決定トーナメントがあった5月1日、新元号「令和」初日に後楽園ホールでは日本フェザー級タイトルマッチが行われていた。昨年4月、母の一周忌に王座を獲得したドラマチックなファイター源大輝(ワタナベ)と「天才?」を自称するクールな挑戦者・阿部麗也(KG大和)の激突。結果は引き分けで王座防衛となったが、源が序盤に2度のダウンを奪い、中盤以降は阿部が猛反撃。拳だけでなく、それぞれの“生き様”までもぶつけ合うような戦いは見応え十分だった。こういう試合が繰り広げられたら、新設されるA級トーナメントも大いに盛り上がるだろう。
「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」の挑戦者決定トーナメントは見ていないので、コメントは控えるが、挑戦者に決まった選手の1人がケガで欠場と何やら雲行きが怪しくなってきた。那須川本人は「もっと格闘技界を盛り上げたい」という志を持ち、そのために、こういう企画に協力したり、テレビのバラエティー番組に出演したりしていることは知っている。結果が全ての世界。その手段が正しいかどうかを議論しても意味はないだろう。ただ、格闘技を含めてスポーツは筋書きがないからこそ面白い。(記者コラム・大内 辰祐)