黒田 令和初王者ならず 進退明言せず「空っぽ…」
2019年05月14日 05:30
格闘技
左ジャブを有効に使い、ムザラネのボディーを執拗(しつよう)に攻めた。「お互いオジサンなんで、後半落ちてくれるかなと。でも、下手だから我慢比べに持っていくしかなくなった」。王者の左を浴びて右目が腫れ、視界が狭まった。近距離での打ち合いで被弾も増え、新田会長が警戒していた“相手の土俵”に引きずり込まれた。会場の「黒田コール」に後押しされて最後まで攻め続けたが、歴戦の王者にはね返された。
13年2月の世界初挑戦も大差の判定負け。そこから7戦して3敗と「どん底を見た。何度もやめようと思った」という。だが、井上尚弥(大橋)ら世界王者たちとスパーリングを重ねる中で感じた「彼らと何が違うのか?」の答えを求めてボクシングを続けたが、ラストチャンスと覚悟して臨んだ2度目の大舞台でも明確な答えは見つけられなかった。黒田は「良くも悪くも空っぽ」と心境を語り、進退については「今は何も…」と明言を避けた。(大内 辰祐)
▼川崎新田ジム新田渉世会長 黒田なりによく頑張った。序盤は距離を取ってワンツーとボディーでペースを握れたが、向こうが上手で乱打戦に引きずり込まれた。6年前より手数を出したことは評価できる。