恒成、無敵V3 鮮やか3回KO アッパー3連発で沈めた
2020年01月01日 05:30
格闘技
「今まで勝ち続けても、どこかモヤモヤばかり。(20年は)自分のモヤモヤを晴らせるよう、いい試合を続けます。強くなりたい」
テーマに掲げた鋭いジャブで初回からペースを握り、右ストレートもヒット。トロハツを尻込みさせた。決着は3回。左ボディーを効かせてガードが下がり気味のところへ右、左、左のアッパー3連発。最後に突き上げた拳に「いい手応え」と勝利を確信した。仰向けで大の字になった挑戦者は立てず、10カウントとなった。
東京五輪が開催される20年は兄弟で同時にアマとプロの世界トップに君臨するチャンスだ。2歳上の兄・亮明(26=岐阜・中京学院大中京高教)が昨年11月の全日本選手権(鹿児島)52キロ級で優勝し、五輪出場へ前進した。リングにひざまずいて全身で喜ぶ兄の姿に田中は共感。自身も、かつて五輪を目指しアマ世界一への道のりが険しいことを熟知している。「全日本も一発勝負でリスクが高い。だから喜びがデカい。自分も同じような喜びを得られるよう、これから大きなリスクを背負った戦いをしたい」と決意を固めた。
いよいよスーパーフライ級に進出し、4階級制覇を目指す。畑中清詞会長は「来年中には4階級に向かいたい」と話した。フライ級で3度防衛した19年も準備を進めていた。フィジカル担当の河合貞利トレーナーは「既にスーパーフライ級の体つきになっている」と証言。調整失敗で苦戦した8月のV2戦の反省から試合がない期間も含めた体重管理への意識が高まった。畑中会長は「これまで走るのは10キロ以下、(試合後にリバウンドする)ウエートが10キロ以上。今回は逆やったな」と自覚の芽生えに目を細める。20年の目標を「ひと皮むけたい」と表現した田中。その本気度をリングで示す一年となる。