プロボクシングWBA女子世界フライ級王者・藤岡奈穂子(46=竹原慎二&畑山隆則)が1日、オンラインで会見し、4月9日(日本時間10日)に米テキサス州サンアントニオのアラモドームでWBC女子世界同級王者マーレン・エスパーザ(32=米国)と王座統一戦を行うことを発表した。日本人女子世界王者が海外で他団体王者と統一戦を行うのは史上初めてとなる。
日本人で唯一、世界5階級制覇を達成している藤岡は、昨年7月に米ロサンゼルスでWBAフライ級王座の3度目の防衛に成功し、米国での世界戦で日本人女子初勝利。歴史に新たな1ページを加えた。46歳のレジェンドは「自分に残された時間が少ないことは分かっている。1戦1戦濃い試合をやりたいと常々は思っていて、どうせやるなら一番強い相手と試合がしたいと思っていたので、うれしいです」と自身にとって新たな挑戦ができることを歓迎。当初、3月にロサンゼルスで予定されていた試合が4月にエスパーザの地元テキサスでの試合に変更となり「一気にドアウエーの風が強くなった」と苦笑いしつつ、「今組める最高のマッチメークだと思う。テンションは高い。敵地だけど、ここで勝ったらデカいこと。絶対に獲りにいく意気込みです」と力を込めた。
エスパーザは、女子ボクシングが初採用された12年ロンドン五輪フライ級銅メダリストで、14年には世界選手権を制し、16年12月にプロ転向を表明。17年3月にデビューし、昨年6月のプロ11戦目でイベス・サモラ(メキシコ)に判定勝ちし、WBC女子世界王座を獲得。同12月には初防衛にも成功している。
藤岡はエスパーザについて「アマチュア上がりで基本はしっかりしているけど、まだプロ仕様になりきっていない」と印象を語り、「トレーナーも変えたらしいので、どう変わったのかもあるし、油断はしていない。距離の取り合いになると思うので圧力を強めにかけていけば、チャンスはあると思う」と戦略の一部も明かした。
ビザ申請の関係などで出発日は未定だが、当面は国内でスパーリングなど実戦練習を中心に調整し、敵地に乗り込む計画だ。