元世界3階級制覇王者の田中恒成が世界前哨戦で大差判定勝ち 「来年は4階級制覇」
2022年12月11日 17:55
格闘技
身長で約3センチ、リーチで約18センチも劣勢だけに初回は様子見に徹した。2回に左目上をカット。これがシッキボのパンチによるものと判断されてからエンジンがかかった。ジャブを突きながら足を使う相手をロープやコーナーへ追い込んで左ボディーを軸に攻め続ける。“超攻撃的スタイル”への回帰を宣言していた通り多少のジャブ被弾はお構いなしに距離を詰め、ガードの上からでも、さまざまのコンビネーションをたたき込んだ。ただ長い腕でボディーもしっかりガードしている相手を崩せずダウンを奪えないまま10回が終了した。
今後について畑中清詞会長は「未定です」と説明するしかなかった。スーパーフライ級は大みそかにWBO王者の井岡一翔(志成)とWBA王者ジョシュア・フランコ(米国)の王座統一戦が行われる。WBC王座は、今月3日にローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)を判定で下したフアンフランシスコ・エストラーダ(メキシコ)が手にしたばかり。IBF王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)は指名試合が控えており、畑中会長によると、その開催時期がまだ見通せない。
世界再挑戦を少し待たされる状況になりそうだが、田中は泰然と構える。「ランキングは全部、1位に近いところにいるので。来年の一発目じゃなくても(世界挑戦の機会は)来年のうちにあるのかな。いろんなベルトを獲れるチャンスがあるかなと思っています」。積み重ねた練習の成果を実感し、自信を持つからこそ出てきた言葉だった。