尚弥の“30グラムオーバー”生んだデジタル体重計はバトラーの要望 尚弥「小ネタができていい」

2022年12月12日 15:40

格闘技

尚弥の“30グラムオーバー”生んだデジタル体重計はバトラーの要望 尚弥「小ネタができていい」
<世界バンタム級4団体統一戦>計量パスした井上(左)とバトラー(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【プロボクシング・世界バンタム級4団体王座統一戦   井上尚弥(大橋)―ポール・バトラー(英国) ( 2022年12月13日    有明アリーナ )】 バンタム級史上初となる4団体王座統一戦の前日計量が12日、横浜市内のホテルで行われ、WBAスーパー&WBC&IBF統一世界バンタム級王者・井上尚弥(29=大橋)はリミットの53・52キロ(118ポンド)を70グラム下回る53・45キロ、WBO同級王者ポール・バトラー(34=英国)はリミットより20グラムアンダーの53・50キロでパスした。国内の世界戦で通常使用される天秤式の体重計ではなくデジタル体重計が用いられ、井上が最初に乗ると53・55キロとまさかの30グラムオーバー。苦笑いを浮かべてトイレに行き、バトラーの計量後に再び測定してクリアした。
 自身初の体重オーバーにも、井上は「(記事の)小ネタができていいんじゃないですか」と話して笑いを誘った。ジムでの事前計測ではリミットだったが、計量当日にデジタル体重計の採用が決まり、会場入りして計量1時間前に乗ると30グラムオーバー。「部屋でつばを吐いて大丈夫かなと」構えていたが、デジタル体重計の10グラム単位の部分が「0」と「5」しか数字が出ず、2つの数字が繰り返し点滅する状況でオーバーと判断されたという。

 日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛特命担当事務局長によると、デジタル体重計の導入はバトラー陣営の強い要望によるもの。海外の計量はデジタル体重計が一般的で、陣営はJBC所有の天秤式に「オールドファッション」と懸念を示していたという。天秤式体重計の挙動に不備が見つかったこともあり、計量1時間前に両陣営の合意でデジタル体重計の導入が決まった。

 グローブは井上が6月のドネア戦に続いてレイジェス製で色は黒、バトラーがパキスタン製の「RDX」製で色は白。RDX製は英国ではおなじみというが、バトラー陣営は井上の強烈なパンチはグローブも要因ではないかと疑い、同じレイジェス社製を用意するように要望したという。計量後のグローブチェックで「RDX」の使用を決めたが、デジタル体重計も含めた“陽動作戦”に井上陣営は揺さぶられた形で、大橋ジムの大橋秀行会長も「前哨戦は完敗ですね」と苦笑い。もっとも、試合の作戦を聞かれた井上は「(1回から)火を噴く作戦もあるし、様子を見る作戦もある。向かい合ってからの直感力で攻めたい。バトラーには決められたボクシングがあるけど、自分は行くこともできるし、引くこともできる」と4つめのベルト奪取に自信をのぞかせた。
 

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