日本ボクシング連盟が「加点方式」の新判定システムを国際協会へ提案 不正判定疑惑解消目指す

2022年12月20日 16:15

格闘技

日本ボクシング連盟が「加点方式」の新判定システムを国際協会へ提案 不正判定疑惑解消目指す
IBA総会で次世代判定システムを提案する内田貞信会長(日本ボクシング連盟提供) Photo By 提供写真
 国内アマチュアを統括する日本ボクシング連盟の内田貞信会長が20日に都内で会見し、不正判定疑惑の解消を目指す次世代判定システムを11日の国際ボクシング協会(IBA)総会(UAE・アブダビ)で提案したと発表した。ジャッジがラウンドごとに10―9などの優劣をつける現行の「10ポイントマストシステム」ではなく、全ラウンドを通じての「クオリティーブロー(有効なパンチ)の総数」を競う加点方式となる。ボクシングは28年ロサンゼルス五輪で実施競技から除外される危機に直面しているが、内田会長は「(24年)パリ五輪後に使えるようにしたい。疑惑をなくすことが可能であれば、(ロス五輪での競技実施に)つながっていくのではないか」と話した。
 新システムでは各ジャッジがクオリティーブローと判断するたびに手元のボタンを押していき、ジャッジ3人の試合なら総パンチ数の平均値、ジャッジ5人なら最も多いパンチ数と少ないパンチ数のジャッジの点数を除いた平均値が選手の得点となる。リング四辺にはカメラ(スマートフォンでも可)が設置され、その中からAIが死角がなくパンチを確認できる映像を選び画面に表示する。また、ジャッジとは別に配置される「スーパージュリー」には0・7倍速で映像が配信され、より正確にパンチをチェック。ジャッジを置かずに「スーパージュリー」が採点する方法も採用できる。「スーパージュリー」の採点発表は遅れるため、そのケースでは両選手がフィギュアスケートの「キスアンドクライ」のような場所で判定を待つことになる。

 加点方式では勝敗が明確となり、最終3ラウンドでの逆転劇も増えるとみられる。ジャッジがパンチボタンを押したタイミングもモニタリングされ、不正防止や審判員のレベル向上にもつながるとしている。新システムは東京五輪前から開発が進められ、日本連盟では11月の全日本選手権で既にテストを行っており、来年3月には国際大会で試験導入される予定という。内田会長は「元々の加点方式から10ポイントマストシステムになって、不正が増えてきた」と説明し、「AIがずっと試合を録画しているので、最終的には審判自体がいらなくなる、そこまで追求していきたいと思っている」と述べた。

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