尚弥の“スパー相棒”Sバンタム級活躍に太鼓判!「パワー、スピード、聡明さ通用する」

2023年01月17日 04:30

格闘技

尚弥の“スパー相棒”Sバンタム級活躍に太鼓判!「パワー、スピード、聡明さ通用する」
自身の試合後、取材に応じたアダム・ロペス(撮影・杉浦大介通信員) Photo By 提供写真
 プロボクシングの前4団体統一世界バンタム級王者・井上尚弥(29=大橋)が昨年9月に行った米ロサンゼルス合宿でスパーリングパートナーを務めたWBCフェザー級17位のアダム・ロペス(26=米国)が本紙の取材に応じた。井上が今春予定するスーパーバンタム級初戦へ向けたスパー相手としても打診を受けたと明かし、新階級での活躍に太鼓判を押した。(インタビュー・杉浦大介通信員)
 ※取材は1月14日、米ニューヨーク州ベローナ。ロペスはエイブラハム・ノバ(29=米国)とのスーパーフェザー級10回戦で2度ダウンする激闘の末に0―3で判定負けした試合後、取材に応じた。ロペスは16勝(6KO)4敗1無効試合、ノバは22勝(15KO)1敗。

 ――日本に行くかもしれないという話を聞いたが。
 「その可能性があります。(ロサンゼルスの)ワイルドカードジムで井上とスパーリングをして、彼は私との練習を気に入ってくれました。クリスマスの頃に井上側から連絡をもらい、日本でも練習を助けてくれないかと声をかけられたというわけです。彼は3、4月頃に次戦を予定していて、そのヘルプを頼まれました。私が望むならということなので、行くかもしれません」

 ――まだ具体的な日程は分からないのか。
 「日程については言われてません。試合の日程を決めた後にまた連絡をくれるのでしょう。このあと少し体を休め、回復させ、スケジュール的に合うのであればぜひ行きたいです。まだ行ったことがない場所なので、素晴らしい経験になるでしょう。しかも世界最高級の選手と練習できるのですから、断る理由はありません」

 ――なぜ井上にそこまで気に入られたのか。
 「通訳を通じて言われたのが、私が賢明なボクシングをしたのが気に入ったということでした。他の選手たちはみんな打ち合いを挑んだのに比べ、私はアウトボクシングを試み、アングルを変えて攻めようとしました。おかげで彼の方も考えながら戦うことができ、その練習をもっとやりたいと感じたという話でした。他の選手たちは2ラウンドずつだったのに、私とだけは毎日5ラウンドはやりました。いい練習ができたと喜んでもらえ、私の方も気分は良かったですよ」

 ――井上に関し、優れていると感じたところは。
 「彼は凄い経験を積んできたボクサーです。リングに入った瞬間、ボクシングIQの高さ、パンチの正確さ、スピード、距離測定のうまさといった長所の素晴らしさはすぐに感じられました。彼の階級の選手としては、パンチ力ももちろんありました。私は彼よりも体が大きいですが、パワーも感じましたよ。おかげで私の方も良い練習ができたのです」

 ――スーパーバンタム級に上げた際、井上にはどんな適応が必要か。
 「1つ上の階級でも凄い活躍ができると思いますよ。彼のパワー、スピード、聡明さはスーパーバンタム級でも間違いなく通用すると信じています。耐久力もありますし、なかなかパンチをもらいません。ディフェンスがいいため、彼にクリーンヒットするのは難しいことでした。スーパーバンタム級でも極めて小柄というわけではなく、問題はないでしょう。さらに階級を上げて、フェザー級までいったら少し難しくなるかもしれませんが」

 ――井上は(WBC&WBO統一世界スーパーバンタム級王者)フルトンと戦うのではないかという推測が飛び交っているが。
 「私もその試合がぜひ見たいです。私もフルトンと戦いました(17年12月、8回0―2判定負け)。井上と戦えば凄い試合になるでしょうし、ファンはみんな見たがっています。フルトンは2つのベルトを持っていますし、井上にとってもパーフェクトな試合。ぜひ実現させて欲しいです」

 ――あなたのボクシングスタイルはフルトンのスタイルと少し共通点があるのでは。
 「少し似ているかもしれませんね。フルトンは考えながら動くアウトボクサーで、私の方がもう少し好戦的ですが、動き回ることもできます。だから井上は私との練習を気に入ってくれたのかもしれません」

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