たった2戦で!尚弥 2階級4団体最速統一 タパレスを10回KO 世界ベルト10個目

2023年12月27日 04:45

格闘技

たった2戦で!尚弥 2階級4団体最速統一 タパレスを10回KO 世界ベルト10個目
4本のベルトを手にする井上(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【WBC&WBO&WBA&IBF世界スーパーバンタム級王座統一戦   井上尚弥―マーロン・タパレス ( 2023年12月26日    有明アリーナ )】 モンスターが“世界最速”で新たな伝説となった。WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30=大橋)がWBA&IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)に10回1分2秒KO勝ちした。転級2戦目わずか154日で、4本のベルトを獲得。史上2人目の2階級4団体王座統一を最速の5年7カ月で成し遂げた。日本人最多タイの世界戦21勝目となり、世界ベルトは10個目となった。
 自ら「歴史的な試合」と位置づけていた一戦で世界最強を証明した。笑顔で観衆にガッツポーズを見せた井上は、リング上で大橋秀行会長から声を掛けられると「ちょっと危なかったですね」と苦笑いを浮かべた。さらに、効いたパンチはあったか問われると「1発。フックかな」と汗を拭いながら激闘を振り返った。

 判定決着も「よぎった」苦しい展開だった。序盤からひたすらガードを固めたタパレスにパンチはことごとくブロックされた。4回には左フックからの連打でダウンを奪うも、タパレスの圧力は衰えず。井上は珍しく何度もロープ際での戦いを強いられた。

 それでも最後に仕留め切るのがモンスターたるゆえんだ。ダメージを蓄積させた10回にガードの隙間から右ストレートを打ち込み、よろめきながら倒れたタパレスに10カウントを聞かせた。「正直手応えはなかったがKOできてよかった。非常にタフな選手に勝つことができ、やってきたことが証明された」。世界戦は21勝19KOとなり、KO率は驚異の90.5%となった。

 戦前は圧倒的有利を予想する声が大半だった中「周りの楽勝ムードを吹き飛ばすため」と、10月下旬から来日したメキシコ人4選手と両目付近にあざを残しながらこれまでの世界戦前より30以上多い、過去最多116ラウンドのスパーリングを消化した。それでもタパレスが持つ独特の軌道の右アッパーを何発も被弾。間違いなく最も苦しめられた相手の一人だった。

 スーパーライト級に続き、今年7月にウエルター級でも4団体統一したテレンス・クロフォード(米国)に続く史上2人目の快挙。8年3カ月かかったクロフォードを大きく更新する5年7カ月の最速記録となった。世界4階級制覇王者の井岡一翔に並ぶ日本人最多タイの世界戦21勝目で、世界ベルト獲得数は井岡の6個を大きく引き離す断トツの10個目となった。

 「スーパーバンタム級に上げて2試合目で4本集められたのは達成感もあり、うれしい。4本のベルトがどうなってもまた熱い試合を見せたい」。前人未到の領域に入ったモンスターはこれからも最強のみを追い求める。

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