“サラリーマンボクサー”阿部麗也 有休で世界戦!10年かけて念願、3・2IBF世界フェザー級挑戦

2024年01月18日 04:30

格闘技

“サラリーマンボクサー”阿部麗也 有休で世界戦!10年かけて念願、3・2IBF世界フェザー級挑戦
世界初挑戦となる次戦へ意気込んだ阿部 Photo By スポニチ
 プロボクシングIBF世界フェザー級1位の阿部麗也(30=KG大和)が17日、神奈川県大和市内の所属ジムで会見し、3月2日に米ニューヨーク州で同級王者ルイスアルベルト・ロペス(30=メキシコ)に挑戦することを正式発表した。週5日は工場に勤務しながらボクシングに打ち込むサラリーマンボクサー。初の世界挑戦は「有給休暇」を使って世界ベルトをつかむこととなりそうだ。
 2月末からの「有給休暇」取得が決まった。行き先は米ニューヨーク州だ。阿部は「ついに決まった。フィットネス会員からスタートした何者でもない自分が10年かかって世界チャンピオンになる姿を見てほしい」。世界タイトルを懸けたリングに立つ。サングラス姿で不敵に笑った。

 会津工卒業後、神奈川県の自動車関連の工場「プレス工業」に就職した。当初、同ジムには体を動かす目的で入門した。初めは週2日ほど顔を出す程度だったが、筋の良さを見込まれ、13年6月にはサラリーマンボクサーとしてデビュー。10年を経て念願の世界戦にまでたどり着いた。

 現在も「組立一課」の社員として週5日、午前8時から午後5時までライン作業に入る。溶接や板金にも精を出す。競技との両立は簡単ではないが「働きながらでも夢を追えることを体現したい」。会社の配慮で残業、休日出勤は免除してもらったが、それでも来月23日までは勤務し、10日前後の有給休暇を活用して海を渡る。

 世界王者への挑戦権は昨年4月に獲得した。だが相手ロペスがスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥への関心を口にするなど、なかなか対戦が実現せず「お前の相手ここにいるやんけという気持ちだった」と笑う。昨年末にはフィリピン合宿も敢行した。

 同ジム創設17年で初の世界戦。阿部が勝てば10年の長谷川穂積以来の同級での日本人世界王者となる。「ロペスをぶっ倒して世界を獲ります。出世は引退してからでいいです(笑い)」。戦うサラリーマンの強さを世界に見せる。

 ◇阿部 麗也(あべ・れいや)1993年(平5)3月25日生まれ、福島県猪苗代町出身の30歳。中学時代はバスケ部に所属。ファンの人気漫画「スラムダンク」の主人公・桜木花道の名セリフ「天才ですから」をもじって「自称天才」。会津工高でボクシングを始め、3年時の国体でベスト8入り。13年6月にプロデビュー、昨年4月にIBFフェザー級挑戦者決定戦で12回判定勝ちし挑戦権を獲得。プロ戦績は25勝10KO3敗1分け。家族は妻と息子2人。身長1メートル72。左ボクサーファイター。

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