プロボクシングの2023年度年間表彰選考会が2日、都内で開かれ、最優秀選手(MVP)に世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)が選ばれた。満票(32票)で6年連続7度目の受賞となり、自身の持つ最多受賞回数を更新。これで国外のMVP賞と含めて“9冠”となった。新鋭賞はボクシング転向3連勝中の那須川天心(25=帝拳)が受賞した。
文字通り23年は井上の年となった。米国で最も権威のある専門誌リングマガジンをはじめ、国内外9冠目は“総なめ”状態。井上は所属ジムを通じ「これまで積み重ねてきたことの大きさを振り返ると、日頃から支えてくださっている大橋会長はじめスタッフの皆さま、そして何よりいつも声援を送ってくださるファンの皆さまに改めて感謝の気持ちでいっぱいです」などとコメントした。
井上はバンタム級からスーパーバンタム級に転向した昨年、わずか2戦で史上2人目の2階級4団体王座統一を達成。転級初戦で8回TKO勝ちしたフルトン(米国)戦は年間最高試合に選ばれるなど、新階級でも最強を証明し続けた。
次戦はWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)を相手に5月6日に東京ドームで防衛戦を行うことが濃厚。「今年も皆さんがワクワクするような試合ができるよう、歩みを進めていきます」と主役の座は譲らない覚悟を示した。