グッドマン逃げた?尚弥 再始動日にまさかの“ドタバタ劇”も余裕「ボクシングあるある」

2024年05月30日 05:00

格闘技

グッドマン逃げた?尚弥 再始動日にまさかの“ドタバタ劇”も余裕「ボクシングあるある」
練習を公開した井上尚弥(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が29日、横浜市内の所属ジムで次戦に向けて本格的な練習を再開した。9月に予定されている次戦の相手候補サム・グッドマン(25=オーストラリア)がこの日、7月に他の選手との試合を発表したことで対戦が事実上消滅。相手が不透明な状況となったが、王者は平常心を強調した。
 悪童ルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちした6日の東京ドーム興行から約3週間。井上は休養明けとは思えないほど軽快な動きを披露し「(次戦への)土台をつくっていくというところになる」と汗を拭った。試合後は家族と過ごすなど、心身ともにリフレッシュした状態で再始動した。

 一方で次戦は不透明な状況になっている。当初は9月に都内でWBO&IBF1位のグッドマンを相手に防衛戦を行うことが濃厚とみられていた。だが、この日、グッドマンが7月10日に地元オーストラリアでWBC8位チャイノイ・ウォラウト(タイ)と12回戦を行うことが発表された。試合間隔から9月の井上戦は事実上消滅。大橋ジムの大橋秀行会長は「まだ交渉の余地は残しているが、どうなるか分からない。聞いたことないよね」と指名挑戦者の“対戦拒否”に不満顔だ。

 ただ井上本人はドタバタ劇にも「ボクシングあるある」と涼しい顔。ネリ戦後にグッドマンをリングに招き入れ、対戦を呼びかけたことには「あれは自分が先走ってしまった。試合前に聞いていた話と誤解があってリングに上げたが、どうやら全然違った」と苦笑い。「お金目当てじゃなく、やっぱり王者になりたいんだな、と。返上を待っているのかは分からないけれど、挑戦のタイミングがあるんだな」とグッドマンの心中を察しつつ「まだ全然焦りはない」と余裕の対応を見せた。

 次戦の相手候補には東京ドーム興行のネリの代役候補にもなった元IBF世界同級王者でWBO2位のTJ・ドヘニー(アイルランド)が急浮上。26勝20KO4敗で3連続KO勝利中の強打者だ。井上は「ドヘニーも一つの対戦候補として頭の隅にはあるが、今はフラットな状態。誰が相手でも強さを見せるという意味では変わりはない」と4団体統一王者としての風格を漂わせた。

 ≪フェザー級王者の対戦希望に不満「やりたいなら階級を下げてこい」≫井上は3試合を戦ったスーパーバンタム級で強敵が見当たらず、1階級上のフェザー級転向を期待する声もある。IBF王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)らフェザー級世界王者の対戦希望には不満のようで「自分とやりたいなら、そっちが階級を下げてこいと言いたい」と語気を強めた。

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