【NHKマイルC】エーシントップ51秒4!自慢のスピードに磨き
2013年05月02日 06:00
競馬
連勝中の勢い、充実ぶりが稽古の動きにはっきり表れていた。エーシントップは馬場開場直後の坂路へ。最初の1Fはスピードをコントロールして13秒9。2F目もペースを守って13秒6でクリア。そこからグンと加速した。
500キロを軽く超える巨漢でも重苦しさは一切なし。凄まじいスピードで四肢を回転させ、グイグイと突き進む。最後の2Fは11秒8、12秒1。4F51秒4はこの日、3番目タイの速さだ。田中助手が絶好の感触を伝えた。
「見てもらった通り、抜群の動き。これ以上ない追い切りだった。時計、動きとも何も言うことがない。もともと、調子に波がないタイプで大幅に変わってはいないが、休み明けを1回使って馬がシャキッとしてきた」
今年に入ってシンザン記念、ニュージーランドTとマイル重賞を立て続けに制してG1に弾みをつけた。昨年の京王杯2歳Sと合わせ、手にした3つのタイトルが高い能力と勝負強さの証だ。ここ2走はタイム差なしの勝利。ぶっち切って勝つのではなく、接戦を物にしてきた点を西園師は評価する。「この馬はゴール板の位置を知っている。ちょっとだけ前に出ればいいと分かっているのだろう」
過去6戦で唯一、黒星を喫したのが、ハイペースにのまれる形で2番人気8着に終わった昨年の朝日杯FS。ここは暮れのリベンジを期す一戦だ。「前走は朝日杯FSで負けたコース、距離だから、どうかと思ったが結果を出した。東京マイルは紛れがなく、力がなければ勝てない。1回使って馬は凄くいい状態だし、何の心配もしていない」
今年3月2日、栄進軍団を長く率いた平井豊光氏が亡くなった。西園師にとっても、かけがえのない恩人だ。何とかVで恩に報いたい一戦。赤と黒、おなじみの勝負服の背中に、天国からそっと後押しもあるかもしれない。