【朝日杯FS】タワー95点!手入れ十分、愛情感じる美しい尾
2017年12月12日 05:30
競馬
510キロ超とは思えない馬体。全ての部位がバランス良くつながっているため大きさを感じさせないのです。特に腰からトモにかけてとてもうまくリンクされており、流麗なラインを描いている。体形から初のマイルも全く問題ありません。冬場でも毛ヅヤはさえています。よほど体調も良いのでしょう。利口そうな顔立ち。しっかり立てた耳と目が正面の一点を見つめてます。顎っ張りもいい。食欲旺盛なのでしょう。キ甲(首と背中の間の膨らみ)が未発達とはいえ、2歳のG1は十分に勝てるレベルに達しています。3歳になってキ甲が馬名通り、ロンドン塔のように発達すれば、もっと凄い体つきに変わるでしょう。
これだけのスケールだけに注文も付けておきます。前肢にもう少し負重をかけて立ってほしかった。前肢を遠慮気味に地に着けているように映ります。ともあれ、ライバルを圧倒する、均整の取れた体つき。これは、馬自身の持って生まれた才能です。ロングヘアのようにさらさらと風になびきそうな尾は支える人間の愛情。才能にもスタッフにも恵まれたG1最有力候補です。(NHK解説者)
◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日、東京生まれの73歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70〜72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。93〜03年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。