【スプリングS】ハッピーグリン、バルク超えへ駆け上がれ!
2018年03月14日 05:30
競馬
「1週前にビシッと追い、今週は輸送があるのでサラッとの予定だったが、思った以上の時計。持ったままでだから具合は本当にいい。今までで一番。後肢がしっかり使えるようになった」。3年連続道営リーディングの田中淳司師は笑顔で伝えた。
門別の坂路は12年5月に完成。「大きな強み。最初は試行錯誤だったが近年は使用法が確立してきた」と師は話す。その言葉通りに翌年、坂路調教馬のハッピースプリントで交流G1を初制覇(全日本2歳優駿)。道営勢全体を見ても昨年はJRA2歳オープンで2勝と活躍。坂路効果は確実に出ている。ハッピーグリンも1歳末に入厩後は坂路中心で鍛えた。昨夏はJRA札幌に参戦しコスモス賞、すずらん賞で共に3着好走。前走セントポーリア賞で厩舎にJRA初勝利をプレゼント。実は、早くから「芝向き」と感じていた田中師は打倒JRAへ新調整法を取り入れていた。
通常メニュー坂路2本を前走前から週に1、2回、同3本に増量した。「中央馬に勝つにはより負荷をかけないと。3本分の負荷に耐えられるくらい、後ろがパンとして身も入ってきた」と意図を説明する。その強化策が前走、上がり3F最速(33秒3)の鬼脚で差し切る勝利に結び付いた。
スプリングSの1週前追いも同3本を課し、3本目で3F36秒0(いっぱい)を計時。今までより負荷をかけた状態でも、自己ベスト(35秒8)に近い時計が出るまでに地力強化した。門別坂路の申し子。さらにその“進化版”ともいうべき存在のハッピーグリン。ここまでダート【2・3・0・2】に対して芝【1・0・2・0】適性はばっちりだ。師は打倒JRA。そしてコスモバルク超えの中央クラシック制覇へ――。ホッカイドウ競馬の進化を証明する走りを見せる。