【京都新聞杯】フーリッシュ、クラシック戦線復活の重賞初V
2018年05月06日 05:30
競馬
「追い切りで扱いやすい馬と感じたので、先入観を持たずに長距離の競馬をしようと思いました。長く脚を使えたし、抜け出してからも余裕がありました。素質はかなり高いですね」
結果的に言えば、大方の予想をいい意味で裏切る、強気なレース運びだった。前半1000メートル58秒5という速めの流れを2番手追走。末脚勝負で3着に食い込んだ昨年末のホープフルSとは別馬のようだ。それでも鞍上は冷静だった。
「跳びが大きいし、ペースが速いと感じませんでした。実際、勝ち時計から逆算しても、僕の位置取りだと速くなかったはずです」
直線入り口で逃げたメイショウテッコンを捉えると、あとは独走。接戦の2着争いを尻目に、2分11秒0の好時計で完勝だ。東京競馬場でレースを見届けた矢作師も「2番手にいたから“何してんねん!?”と思ったけど、あの競馬だからな。俺の想像以上だったよ」とうれしい誤算を喜ぶ。共同通信杯で10着に敗れた後、減った馬体を戻すために放牧へ。回復に時間がかかったが、ようやく復調。「前走とは精神面が全然違ったし、このままの雰囲気でいくことが大事になる」と大一番を見据えた。
馬名は故スティーブ・ジョブズのスピーチに由来しており、「常識に囚(とら)われるな」の意味がある。藤岡佑は皐月賞2着サンリヴァルに先約があるため、本番は乗り代わり。85年のシリウスシンボリ以来、ダービーを乗り代わりで制した馬はいないが、この日の走りを再現できれば…。27日の府中で、その名前通りに常識を覆すかもしれない。
◆ステイフーリッシュ 父ステイゴールド 母カウアイレーン(母の父キングカメハメハ)牡3歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績4戦2勝 総獲得賞金8040万4000円。