【NHKマイルC】ノーテックV!藤岡佑が悲願の初G1制覇

2018年05月07日 05:30

競馬

【NHKマイルC】ノーテックV!藤岡佑が悲願の初G1制覇
藤岡佑を背にNHKマイルCを制したケイアイノーテック(手前) Photo By スポニチ
 ついに勝った。3歳マイル王決定戦の「第23回NHKマイルC」が6日、東京競馬場で行われ、6番人気のケイアイノーテックが鮮やかな直線一気でV。鞍上の藤岡佑介(32)は86度目の挑戦で悲願のJRA・G1初勝利を飾った。09年にジョーカプチーノで勝った弟・康太との兄弟制覇は武豊&幸四郎(現調教師)に続き2組目。また平田師は12年カレンブラックヒル以来同レース2勝目となった。
 派手なガッツポーズも涙もない。でもファンは知っている。実に86度目の挑戦での戴冠。表彰式、勝利騎手インタビューで歓声を一身に浴びた藤岡佑は「あーもう、うれしいですね」と晴れやかな笑顔を見せた。

 ついにG1に手が届いた。ゴール前は首差の接戦。内外が離れていたこともあり、勝ったとの確信は持てなかった。「やっちゃいけないことだけど、2着のジョッキー(M・デムーロ)に確認しました。“あなた、勝ってますよ”と言われた」と笑わせた上で「ずっとG1タイトルを欲しいと思ってやってきて、やっと届いた。“ああ、勝ったな”とかみ締めながら(脱鞍所に)帰ってきた」と感慨に浸った。

 腹をくくった直線勝負が功を奏した。二の脚がつかず後方から。「一瞬の切れ味より長くいい脚を使うので、踏み遅れないように(残り)半マイルから促した。決してうまく乗ったとは思っていないが、能力だけで差し切ってくれた」。4角でも15番手だったが大外から徐々に加速すると、残り200メートルからはスパッと切れた。昨年6月に世代最初の新馬戦を勝った“一番星”はこれが7戦目。今後は休養して秋に備える。鞍上は「距離は延びても良さそう」と話し、平田師も「東京が合うね」。順調なら毎日王冠(10月7日、東京)→天皇賞・秋(同28日、同)を視野に入れている。

 藤岡佑はこれで重賞は29勝目。デビューした04年に最多勝利新人騎手賞を受賞するなど実力は早くから評価されてきたが、G1だけは運に見放されたかのように勝てなかった。2着は7回。13、14年にはフランスに遠征して腕を磨いた。前日の京都新聞杯(ステイフーリッシュ)に続いて初騎乗の馬をVにエスコート。「トップジョッキーになるにはこういうチャンスをつかんでいかないと」。たゆまぬ努力が実を結んできている。

 弟・康太も09年の同レースでG1初制覇。「藤岡家は短距離血統か?」とのジョークには「短距離でも早熟でもないと思う」と軽妙に応じつつ表情を引き締めた。ようやく手に入れた念願のタイトル。だが、これ一つで満足するつもりなどない。「今日の勝因は強い馬に乗せてもらったこと。まだまだ可能性がある」と評価するノーテックと共に、さらなる高みを目指す。

 ◇藤岡 佑介(ふじおか・ゆうすけ)1986年(昭61)3月17日生まれ、滋賀県出身の32歳。父は藤岡健一師、弟・康太もJRA騎手。04年3月6日中京2Rでデビュー(シルクマイスター3着)。同13日中京1RアスカクイーンでJRA初勝利。05年京都牝馬Sをアズマサンダースで制し重賞初V。G1は04年朝日杯FSで初騎乗(サクセスドマーニ13着)以来、86戦目で初優勝。JRA通算8566戦690勝。

 ◆ケイアイノーテック 父ディープインパクト 母ケイアイガーベラ(母の父スマーティージョーンズ)牡3歳 栗東・平田厩舎所属 馬主・亀田和弘氏 生産者・北海道新冠町隆栄牧場 戦績7戦3勝 総獲得賞金1億6997万8000円。

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