【高松宮記念】スノー岡田牧雄氏、菜七子の経験値に託す

2019年03月20日 05:30

競馬

【高松宮記念】スノー岡田牧雄氏、菜七子の経験値に託す
スノードラゴンの馬主の岡田牧雄氏 Photo By スポニチ
 G1連続騎乗を果たす藤田菜七子が「高松宮記念」でコンビを組むのが、現役最高齢のG1ホース、スノードラゴン(牡11=高木)。同馬のオーナーである岡田牧雄氏(66)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、菜七子起用の理由、騎手としての評価、鞍上が決定した直後に脳裏をよぎった映画のシーンなど、余すことなく熱く語った。
 ――菜七子騎手を起用することになった経緯は。

 「高木調教師から5人ほど候補を挙げてもらった。今までにも(自身の所有馬に)乗ってもらっていたし、最近は彼女自身もよく乗れているのでね」
 
 ――G1初挑戦となったフェブラリーSではコパノキッキングの末脚を生かして5着。
 
「もっと欲を言えるような騎乗もあったのでしょうが、あのメンバーで5着まで来たのだから凄いですよ。G1の雰囲気は独特だし、あれを1回経験したのは本当に大きい。今回もその自信を生かして乗ってもらいたい」

 ――真っ白なスノードラゴンに菜七子騎手がまたがれば絵になりそう。

 「昔、(女優の)内藤洋子さんの主演映画『その人は昔』の撮影に協力したことがあるんです。内藤さんが海辺を白い馬で駆けるのですが、凄く奇麗でいいシーンだった。スノードラゴンに菜七子騎手が乗ると決まって、あのシーンを思い出しました」

 ――今月からJRAの女性騎手減量新ルールが導入され、菜七子騎手は3週連続で勝利を挙げている。

 「私は早くから女性騎手減量を導入した方がいいと言い続けてきたんです」

 ――女性騎手だからこそのアドバンテージというのはあるのか?

 「間違いなくある。牧場でも女性スタッフというのは最初から馬には力でかなわないものとして接するんです。男はなまじ力があるからどうにかしようとしちゃう。だから、馬も女性の方が警戒心を持たないことが多い。米国No・1調教師でサンデーサイレンスも手掛けたC・ウィッテンガムは、追い切りはほとんど女性スタッフに任せていたんですよ。動物を扱う業界に女性は絶対必要。日本はまだまだ競馬サークルに女性が少なく、遅れていると思います」

 ――レースに騎乗すると、さらに盛り上がる。

 「先日のフェブラリーSもそうでしたが、人員も売り上げも大きく増える。競馬ファンが喜ぶんですよ。それが競馬界全体の活性化につながるし、競馬サークル全体に還元される」

 ――菜七子騎手にアドバイスをするのか。

 「私は基本的に所有馬がG1に出ても競馬場には行かないので、アドバイスはしません。ただ、デビューしたての頃に師匠の根本(康広)師を通じて、騎乗フォームで気になるところを伝えたことはある。最初は腰高でしたからね。彼女の凄いところは吸収力が高く、すぐにアドバイスを試してみるところにある。今は姿勢が馬にへばりついているし、鞍はまりがグンと良くなった」

 ――関係者の多くが成長ぶりを褒めています。

 「彼女は地方をたくさん回ったのが生きている。大変だったとは思うけど、努力が実を結んでいる。調教とレースでは経験値がまるで違って、体内時計もしっかりしてきますから」

 ――スノードラゴンとのコンビではどんな騎乗を期待するか。

 「年齢的なものあって大きく期待できるということはないが、最後はいい脚を使ってきた馬だから、そこを生かしてほしいね。雨でも降って馬場が悪くなればいいんだけど…」

 ――スノードラゴンは高松宮記念でラストランの可能性もある。

 「G1(14年スプリンターズS)を勝ったこともある馬。当日は菜七子騎手と一緒に多くの人に応援してもらえると思うし、どうにか存在感を見せてほしい。結果次第で現役が延びる、ということになればいいですね(笑い)」

 ≪愛馬に「さすがに印回せないかも」≫牧場経営などの本業の傍ら、競馬予想家としても著名な岡田氏。今年の高松宮記念の展望については、「この路線(=スプリント)自体に抜けた馬がいない」。愛馬のスノードラゴンについては「さすがに印は回せないかも…」と苦笑いしつつも、「雨が降ったりして馬場が悪くなれば。泥んこなら最後は伸びてくれるから」と“天の恵み”にも期待。現時点で最も気になる馬はレッツゴードンキのようで「14日も坂路で50秒を切っていたし、(7歳でも)衰えは全くない。キングカメハメハ産駒のいいところが出ている」と評していた。

 ▽その人は昔 コロムビアレコードのLP盤「心のステレオ・その人は昔~東京の空の下で~」の映画化で、監督・原作は松山善三、音楽は船村徹が担当。東京映画制作で、67年7月に公開された。貧しい農家生まれの一夫(舟木一夫)が、北海道・日高の百人浜で昆布採りをしている少女、洋子(内藤洋子)が仕事後に白馬を連れて海岸を歩いているところで出会う。やがて心を通わせた2人は両親の反対を押し切って、上京するが…。劇中で、内藤洋子は「白馬のルンナ」を歌っている。

 ◆岡田 牧雄(おかだ・まきお)1952年(昭27)5月14日生まれ、北海道出身の66歳。父・蔚男氏はミホノシンザンを生産した岡田蔚男牧場の場主で、兄の繁幸氏はビッグレッドファームのグループ代表。牧雄氏は父の牧場を引き継ぎ、岡田スタッドとして再発展させている。マツリダゴッホ、スマートファルコンなど数々の名馬を生産した。また、馬主としてもスノードラゴンなど多数の馬を所有する。

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